ガーデンウェディングとは、簡単にいえば『屋外でおこなうウェディング』のこと。特に欧米では人気かつ一般的なウェディングスタイルです。欧米では日本でいうところの披露宴『レセプションパーティ』の会場選びが自由な文化のため、グリーンと日差しがあふれる開放的な空間で、さまざまなアイデアを凝らしたウェディングプランを楽しむことができるのです。そんな「結婚式をゲストと楽しむ」ことに魅せられた日本の新郎新婦も、近年ではガーデンウェディングを取り入れるようになってきました。ガーデンウェディングには、室内でおこなう結婚式とは違う、どのような魅力があるのでしょうか。
もくじ
ガーデンウェディングとは?自由で開放的なウェディングスタイルの4つの魅力
写真提供:舘 ともみ
ガーデンウェディングとは、欧米で人気のグリーンと日差しがあふれる開放的な空間で、さまざまなアイデアを凝らしたウェディングプランを楽しむウェディングスタイルです。
日本のウェディングシーンでも、ガーデンウェディングを取り入れる新郎新婦が急増中です。ガーデンウェディングにはどのような魅力やメリットがあるのでしょうか。
【1】開放的なロケーションでオリジナリティのある演出や装飾を楽しめる
ガーデンウエディングの最も大きな魅力は、屋内の結婚式では実現できない、開放感あるロケーションで、豊かなグリーンに映える美しく自由な装飾を楽しめること。広い空間をめいっぱい自由に使い、まるで海外の結婚式のようにフォトジェニックで魅力的な装飾が楽しめます。
また、自然光のもとでの撮影は被写体をもっとも美しく見せる撮影ができるのも大きなポイント。思い思いの装飾を背景にフォトジェニックな撮影をゲストと楽しみ、最高の思い出をつくることができます。
【2】ゲストとの距離が近い!アットホームな雰囲気でのおもてなし
開放的な空間でのパーティは、ゲストとの距離感を感じる一段高い高砂もありません。ゲストと同じ目線で距離感近く、ともに触れあえるのも大きな魅力です。自然と新郎新婦を中心に歓談の和が広がり、和やかでリラックスしたムードで結婚式の時間を過ごすことができるでしょう。
特別なイベントをプログラムに詰め込まなくても、緑豊かなガーデンの環境だげで十分な演出になります。シンプルなセレモニーやパーティの時間が、ゲストにとって深い思い出の時間に。「おもてなししなきゃ」という気負いを忘れ、リラックスした時間を楽しみましょう。
【3】自由なアイデアでプログラムや魅力的な空間と時間の使い方が可能
ガーデンウェディングには、室内のような空間レイアウトの厳しいきまりもなければ、時間の使い方もとても自由であることが大きな特徴といえるでしょう。
空間はふたりの好きなポイントをすきなようにレイアウトすることが可能です。またガーデンウエディングで人気のイベントや演出例としてあげられるのは、ガーデンに祭壇をこしらえての人前挙式・バルーンリリース・バブルシャワー・デザートビュッフェなど。屋外だからゲストも自由に参加可能な魅力的な演出がいっぱい。時間を自由に使って、さまざまな思い出を作りましょう。
【4】コロナ禍でも3密を避け、安心して楽しめるウェディングスタイルとして注目度UP
このコロナ禍で結婚式を延期する、または諦めてしまうカップルも少なくない中、ガーデンウェディングに注目し、検討するカップルが増加傾向です。
従来の国内でおこなう結婚披露宴とは「密集」「密閉」「密接」の3密下で行われるイメージです。ですがガーデンウェディングのメリットとして、3密のリスクは下がることが考えられます。広々した空間でゲスト同士しっかり距離を保ったテーブル配置と、天井のない開放的な密の少ない環境で、安全な結婚式をおこなうことが可能だからです。
また、ガーデンならではの解放感溢れるロケーションでおこなう結婚式は、日常とは違った特別感のある1日になり、新郎新婦たけでなくゲストにとっても日常を忘れたくつろぎの時間を提供できるでしょう。
最新のガーデンウェディングにはどんなスタイルがある?海外発のトレンドスタイル
欧米において、ゲストと距離が近くアットホームに楽しめるガーデンウェディングは最も人気のスタイルであり「屋外の開放的なロケーションをより深く楽しみたい」という思いから、さまざまなトレンドのガーデンウェディングのスタイルが生まれています。
そして海外のおしゃれに敏感な花嫁たちが取り入れている最新の屋外のウェディングスタイルが、日本にも次々と上陸。綺麗に手入れされたガーデンでのウェディングだけでなく、もっと本格的な自然と屋外ロケーションを楽しむアイデアです。
ただし、このようなウェディングスタイルを実現し準備するには、現在の日本のウェディング事情ではウェディングプロデュース会社か、フリーランスのウェディングプランナーに依頼したほうが、実現は近道です。
ラスティックウェディング
ラスティック(Rustic)とは英語で「田舎風な」「素朴な」という意味です。そしてラスティックウェディングとは、その名の通りシンプルで自然の素材を生かしたような飾り気のない、温もり溢れる結婚式のこと。
会場はガーデンより本格的な自然にあふれた草原や湖畔、牧場などの素朴でより開放的な場所を選びます。また装飾や装花も自然を活かし、ウェディングアイテムの素材や材料も自然のものを利用しぬくもりにあふれた手作り感のあるウェディングスタイルです。
欧米では最も人気の高いガーデンウェディングスタイルであり、現在は日本でもこのスタイルを取り入れたガーデンウェディングが増えつつあります。
写真提供:舘 ともみ
アウトドアウェディング
キャンプ場やロッジ、山荘などを会場に、キャンプ要素をウェディングの中に取り入れ楽しむスタイルです。近年のアウトドアブームによって、よりおしゃれに洗練されたキャンプスタイルは、結婚式との親和性も高く、本格的なアウトドア要素を取り入れた素朴なパーティから、アーバンな要素を取り入れたグランピングスタイルの結婚式までさまざま。
ゲストと新郎新婦がオーブンダッチで料理をしたり、フェスのように音楽とダンスを楽しんだり、夜はライトアップとキャンプファイヤーで幻想的なセレモニーをおこなったり…自然と仲間との触れあいを楽しめるウェディングスタイルです。
写真提供:関口 美沙子
エロープメントウェディング
日本ではまだ馴染みの無い言葉ですが、「Elopement」とは英語で駆け落ちを意味します。エロープメントウェディングとは、家族や友人を呼んでの盛大な挙式はせず、カップルのみ、もしくは少数の友人だけを呼んで結婚を誓い合う、小規模ながらもこだわりのウェディングスタイルのことです。
特にフォト撮影に力を入れており、大自然など一生忘れえぬ屋外ロケーションを背景に、自分たちの選んだ最高のフォトグラファーに依頼し、挙式セレモニーと撮影、そしてふたりきりや少人数でのパーティを催します。
ウェディングの時間をゲスト対応やおもてなしに煩わされることなく、大切なひととの時間だけで凝縮し、忘れられない思い出を作るという、贅沢かつ究極のシンプルなウェディングスタイルです。
写真提供:小関 陽子
ガーデンウェディングの費用相場は?依頼は誰に?どんな会場を選んで準備する?
日本でも一般的になりつつあるガーデンウェディング。開放的な屋外空間を結婚式、パーティ用にデコレーションして準備するため、プランニングのオリジナリティや自由度が高いぶん、一般の結婚式と違ってどんな会場でおこなうか、どこに依頼するかで、戸惑ってしまうことも多いようです。憧れのガーデンウェディングを計画するために、依頼先別にプランや費用相場やメリット、デメリットを知っておきましょう。
ガーデンをもつゲストハウス、ホテル、一軒家レストランなど結婚式会場
ガーデンウェディングの人気が急上昇するいま、敷地内にガーデンを備えた結婚式会場は増加しており、ガーデンウェディングプランをもつホテルやゲストハウスなど結婚式会場も多くあります。
ただし、会場内に設置されたガーデンは広さや導線で自由度に限界があります。ガーデンをプログラム内で活用できるのは、挙式・アフターセレモニー、ガーデン会食、披露宴での歓談タイム(またはデザートタイムなど)など時間のうち、どのシーンかに限られてしまうことがほとんどです。
ゲスト人数が多い場合などは、披露パーティはバンケットルームでとり行い、デザートビュッフェは再入場などで利用されるのみのケースが多いでしょう。
写真提供:小関 陽子
費用は一般的な結婚式費用とあまり変わらず。少人数の場合は割高になる場合も
結婚式会場が提示するガーデンウェディングのプラン料金は、基本的には一般的な結婚式プランの費用相場とさほど変わりません。料金体系によっては、若干割高になる可能性があります。
費用が上がる要因として、ガーデンの使用料金がプラン内に含まれておらずオプション料金であること、ガーデンとバンケットとふたつの場所を使用するため装花装飾料金が割増しでかかること、歓談タイムにデザートビュッフェなどガーデンの演出を計画した場合オプション料金として加算されるなどの理由が考えられるからです。
また、少人数の結婚式でガーデンウェディングを計画したい場合、いくつかある宴会場からゲスト数に合わせて選ぶなどの融通は利かず、ガーデン使用料金は一定額で変わらないため、より割高に感じてしまうこともあります。
ガーデンウェディングを結婚式会場に依頼するメリット、デメリット
結婚式に必要なアイテムやどの立場のゲストも丁寧におもてなし可能な設備が揃っているため、担当プランナーにほぼお任せでも満足度の高いガーデンウェディングの計画と準備が可能です。ただし、会場の規約も多く、用意したプラン枠の中でのプランニングになるため、ふたりのオリジナリティや自由度などを100%叶えることは難しいことが多いかもしれません。
オリジナルウェディングを手がけるプロデュース会社
自由な発想からのガーデンウェディングの会場選びから、結婚式のプランニング、演出まで、すべてをふたりの希望のままにオーダーメイドでプロデュースしてくれる結婚式のプロデュース会社やサロンが注目を集めています。
ふたりの希望をヒアリングしたうえで、ゲスト数や希望に見合った会場を提案してくれます。また、挙式から披露パーティお見送りまで、すべてをガーデンでおこなうような本格的なガーデンウェディングのプランニングや、ゼロからの会場設営なども可能です。
企業である強みの組織力を活かして、大人数ゲストを招待しての大がかりなガーデンウェディングや、ガーデンでは難しい演出などの希望も叶えてくれます。
写真提供:舘 ともみ
費用は一般的な結婚式費用相場よりも割高になることが多い
プロデュース会社が手がけるガーデンウェディングは、オリジナルウェディングとしてふたりにあったテーマを決定し、テーマからコンセプトを考え、それにしたがってさまざまなアイテムや演出を決定していくという流れのため、打ち合せや準備量にそれなりの時間や労力を要します。
ふたりのために、ゲスト数に見合ったガーデンウェディングの会場を探し出し、演出を叶えるアイテムを探し出し集め、オリジナル要素を盛り込んだウェディングプランをゼロから作成するのです。プロデュース会社への依頼で必要な結婚式準備費用を調べると、既存プランを利用した際の一般的な結婚式費用と比較して、1~2割増、またはそれ以上に割高な印象になるのです。
ガーデンウェディングをプロデュース会社に依頼する場合のメリット、デメリット
最も大きな懸念点は、ふたりがオリジナリティにこだわればこだわるほど、結婚式準備費用は高くなっていくという点です。
ですが、さまざまなガーデンウェディングのアイデアやノウハウをもつ組織だからこそ、ふたりの希望の演出や、どんな立場のゲストにも配慮したおもてなしを両立させ、オリジナリティあふれるガーデンウェディングのプロデュースを安心して任せることができるでしょう。
フリーランスのウェディングプランナーに依頼する
ガーデンウェディングを計画する場合、欧米の結婚式準備では主流のである、会場にもプロデュース会社にも属していないフリーランスのウエディングプランナーに依頼する、という方法もあります。
独立前にさまざまな経験を積んできたフリーランスのウェディングプランナーは、個人事業主であるという自由な立場から、ふたりにあったガーデンウェディングの会場やプランを忖度なく提案します。
写真提供:青木 萌実
費用は身の丈にあった予算を事前につたえることで調整可能
ガーデンウェディングを準備するための費用相場は、一般的な結婚式の費用相場より高くなることが多い中で、比較すると安く、身の丈にあった料金で準備が可能であることがフリープランナーに依頼する大きなメリットといえるでしょう。
フリープランナーに依頼する場合の費用相場について、詳しくはこちらからご確認ください。
ガーデンウェディングをフリープランナーに依頼する場合のメリット、デメリット
フリープランナーにガーデンウェディングの準備を依頼するもうひとつの大きなメリットは、組織所属と違い、営業ノルマといった観点からの会場選びや演出やオプションを追加で勧めるといった制約がないため、「本当に必要なものだけ」を取り入れたガーデンウェディングの計画が可能な点です。
ただ、フリープランナーは得意な部分や積んでき経験によって個々の能力の差が激しいため、プランナー選びには時間をかけて情報収集する必要があることや、本格的なオリジナルプランをこだわって作るには打合せや準備期間がそれなりに必要です。
また打合せには、自分たちが結婚式で「やりたいこと」や費用上限などを明確に意識してから臨む必要もあるでしょう。
フリーランスのウェディングプランナーの選び方について、詳しくはこちらをご覧ください。
ガーデンウェディングのここが不安!を解決。雨の場合は?ベストな時期は?
写真提供:小関 陽子
ガーデンウェディングを本格的に検討したいと考えた際に、通常の結婚式とはスタイルが大きく違うため「こんな心配事はどうするの?」と依頼前に不安を抱く人もいるでしょう。
ガーデンウェディングで心配になる天候や季節、屋外特有の悩みについての解決策や注意点をまとめてお伝えしましょう。
ガーデンウェディングに最適な季節は?
結婚式をおこなう地域や時間帯によって条件は異なりますが、パーティの開催時間に屋外気温が20度~25度に保たれ、雨の心配が少ない時期を選ぶのがおすすめです。
例えば首都圏では、昼間のガーデンパーティであれば4月下旬~6月上旬、夜のガーデンパーティであれば、真夏以外の梅雨明けの7月下旬、または9月上旬も視野に入れて計画することが可能です。
ただし、この時期は一般的な結婚式のベストシーズンともおおいにかぶっているため、できれば予定時期の9.7カ月以上前、早めの会場探しと結婚式準備検討開始をおすすめします。
ガーデンウェディング当日に雨が降った場合は?
選んだ会場の場所によって対応策が異なります。通常は担当プランナーとともに、ガーデンウェディングの準備を勧めながら、雨の場合の代案やゲストへの対応も細やかに準備を進めていきます。
多くの場合は、雨の場合も室内で挙式セレモニーやパーティが可能な場所を近くで用意しますが、小雨ぐらいなら開催可能なテントを用意しガーデンでパーティを行うことも。また、上部をドームで覆って全天候対応可能なガーデンなどもあるようです。
夜のガーデンウェディングも楽しめる?
大人のムーディな結婚式を楽しみたいカップルには、昼のガーデンパーティだけでなく、トワイライトタイムから夜のガーデンウェディングのプランも大人気です。
ガーデンの木々が浮かび上がるよう電飾やキャンドルでライトアップ装飾した光景は、美しい花々を使った装飾とは違う神秘的な雰囲気に。お酒や料理を楽しむ好きな大人のゲストが多いなら、なんの演出やイベントがなくても十分盛り上がる雰囲気作りもばっちりです。
ゲストの年齢や立場によってはガーデンウェディングはカジュアルすぎる?
招待するゲストで、立場が上の方、年配の親族の方、仕事関係の方など、関係性において立場上気を遣ったほうがいい方を招待しているなら、契約前に担当プランナーにゲストへの対応を相談してみましょう。ガーデンウェディングのスタイルはまだ馴染みがない人も多いためゲストに「マナー上失礼だ」と感じられてしまう恐れもあるからです。
招待ゲストとの関係性を踏まえ、結婚式のマナーについてもよく熟知しているウェディングプランナーに、準備の際によく相談し、ゲスト全員が楽しめるガーデンウェディングを計画する必要があるでしょう。
ガーデンウェディングに似合う衣装、ドレスやタキシードはどうする?
屋内での結婚式と違って、ガーデンウェディングのロケーションにぴったりとあう衣装選びは会場が決定してから開始をおすすめします。ロケーションやガーデンの状態に合わせてデザインを選ぶのが望ましいでしょう。
ガーデンウェディングでは屋外という状況から、ウェディングドレスは歩きやすいシルエットが望ましいとされていますが、できれば事前に自分の好みのドレスをある程度チェックしておき、担当プランナーが決定してから、屋内とは違う環境でどのような衣装がいいかを相談してすり合わせみましょう。
和装でのガーデンウェでイングも計画可能?
白無垢や色打掛などの和装や和のテイストを取り入れたガーデンウェディングも、もちろん計画可能です。和のテイストにあった庭園をもつ会場を探したり、自然に囲まれたロケーションで和のテイストを取り入れた装飾や演出をおこなったり、庭付きの古民家でガーデンウェディングを計画するアイデアも。
どのようなアイデアがあるか、SNSなどで情報収集をしたり、気になるフリープランナーに問い合わせ、無料カウンセリングを利用して、どのような演出アイデアがあるかを聞いてみるのもおすすめです。
自分の理想とするガーデンウェディングを準備、計画するために
美しい自然や緑、開放的なロケーションでおこなうガーデンウェディングは、特別な演出やプログラムを計画しなくても、すべてが魅力に溢れたウェディングになるはず。でも、ふたりの理想を叶えるのであれば、どこに依頼するか、どんなロケーションを会場として選ぶか…この選択がとても重要になってきます。ふたりの想いを叶えられる後悔のない結婚式準備をおこなうために、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。