自宅でウェディング開催が可能?自宅結婚式(家婚式)の魅力とは人生の旅立ちの時間を大切な人と大切な場所で過ごすこと

更新日:2022.03.01

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写真提供:関口 美沙子

自宅でおこなうウェディング【自宅結婚式(家婚式とも)】。もともと日本の伝統的なウェディングスタイルが、結婚式の原点に立ち返り本質を見直す必要がある今だからこそ、意味ある結婚式のスタイルとして支持され、再び注目を集めているのです。欧米でも珍しくないホームウェディングスタイルを取り入れる場合、どのような流れで計画すれば良いのでしょうか。また、気になる費用面や実現できる結婚式の流れとは?自宅結婚式の基礎知識を詳しく紹介します。

自宅結婚式(家婚式)とは。自宅をウェディング会場にする魅力と考え方

結婚式について価値観が大きく変わった2020年。結婚式はふたりの晴れ姿を大勢の人に見てもらう場というよりも、何故いま、敢えて結婚式を挙げるのか?という本質の見直しとともに、「幸せになることをふたりが選んだ決意を、今まで縁のある大切な人たちと共に共有する場」という考え方や価値観を重視する人が増えています。
そんなふたりの結婚への決意と、自分たちの大切な人との絆を確かめあう場として、自宅を結婚式会場として選び、『自宅結婚式(家婚式とも自宅ウェディングとも呼ぶことも)』を挙げるカップルが少しづつ増加しているのです。

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写真提供:関口 美沙子

自宅でのウェディング『家婚式』は昔の日本では一般的なウェディングスタイルだった

実は新郎側(地域によっては新婦側)の実家で結婚式を挙げる「家婚式」スタイルは、明治時代以前の日本では一般的な婚礼スタイルでした。神社挙式が一般人に浸透したのは明治~大正時代あたりから。
それ以前は、両家の家族、親族、縁の深い人々が新郎側の自宅に集い、それらの人々の前で結婚を誓う人前挙式「祝言」を挙げ、ご先祖様に結婚を報告し、祝いの膳を囲んで結婚をお祝いするのが日本の伝統的な結婚式でした。

自宅で結婚式をおこなう現代の『自宅結婚式』の魅力

自宅をウェディング会場にしておこなう『自宅結婚式』には、現在では一般的なホテルや専門式場とは違うさまざまな魅力やメリットがあります。
例えば、家族や親族、友人などの大切なゲストはもちろん、今まで自分たちの成長を見守ってくれた、実家の周辺に住む近所の方々からも温かな祝福を受けることができること。
ふたりの人生を支えてきた場所、これからの新しい人生を紡ぐ場所で、これからも大切にしたい人たちと新たな時間と思い出を共有できること。
自然体のふたりのままで、ゲストもリラックスして、アットホームな特別な時間を過ごすことができるのです。

コロナ禍を通じて見直される自宅結婚式の大きなメリット

コロナ禍を経て「結婚式はフォーマルな会場を用意し派手な演出で大勢のゲストを招待する」スタイルの計画が難しくなり、延期や中止が相次ぎました。そんな中で、結婚式の原点に立ち返り「なぜいま結婚式をやるのか?」という問いの答えに自宅結婚式を選ぶ人が増えているのです。
自宅であれば、不特定多数の人は基本的に招くことありません。また、地方であれば広い敷地や庭をもつ自宅も多く、開放的な空間で3密を防ぎ、それなりの人数のゲストをおもてなしすることも可能です。コロナ禍で外出や遠出ができない祖父母など高齢ゲストがいる場合も、自宅なら移動が少なく、感染対策をしながら参加しやすくなります。
ゲストのほとんどが気兼ねない関係性のため、消毒や感染防止対策もしやすく比較的安心して集まれるという点も大きいでしょう。
周囲の目も気にすることなく、リラックスできる結婚式を開催できるはずです。

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写真提供:関口 美沙子

自宅結婚式を計画するには?依頼方法は?

自宅結婚式は、ふたりの新居や新郎新婦どちらかの実家を会場にするため「全部自分たちで計画するの?」と思いがちです。ですが、結婚式として成立させるためには、ゲストをおもてなしするために家を整え、本格的な挙式を挙げるために立会人を招き、家を装飾して、単なる親族の飲み会にはしないためのプログラムを作成し、婚礼料理を振る舞う用意…非常に手間も時間もかかります。自宅結婚式を思い出深い時間にするためには、結婚式について熟知している『ウェディングプランナー』の力を借りて準備するのが一般的です。

自宅結婚式の計画はフリーランスのウェディングプランナーへの依頼が一般的

自宅結婚式のプラン作成や準備手配の依頼は、基本的にはフリーランスのウェディングプランナーに依頼します。
フリーランスのウェディングプランナーはどの企業や法人にも属しておらず、新郎新婦からの依頼を直接受けてから、新郎新婦自身と直接契約を結びます。おふたりのやりたいことや結婚式のテーマ、予算などをヒアリングした上で、それに見合った挙式スタイルやパーティ形式などから相談にのってくれるため、「二人がやりたいこと」「自宅で可能なパーティ」を軸にプランニングを行います。
また、結婚式の計画から手配まですべてプランナーにお願いるトータルプロデュースと、ふたりや家族で準備を進め、一部手配や相談に乗ってもらうポイントプロデュースを選ぶこともできるため、自分たちの希望のペースと費用予算で結婚式準備を進めることが可能なのです。

フリーランスのウェディングプランナーの仕事や役割について詳しくはこらちご覧ください。

フリープランナーへ依頼後の自宅結婚式準備の流れと段取りは?

自宅結婚式をフリープランナーに依頼した場合、依頼前にカウンセリングをおこない、自宅で結婚式プラン作成が可能かどうかや、費用の見積もり、ふたれの希望などのヒアリングをおこない、ふたりが納得のうえで契約を行います。その後に本格的な打合せや結婚式準備が始まります。
準備期間は一般的な結婚式は6~8カ月程度は見ておいたほうが良いでしょう。ですが、準備期間が少ない場合にもふたりの事情や状況に合わせて、プランナーが準備プランを提案してくれるので、まずは相談をしてみましょう。

【1】無料カウンセリングで自宅で結婚式が費用内で可能か相談。
【2】自宅結婚式のプラン作成と見積りの作成。
【3】ゲストのリストアップや、自宅や庭ををどのように会場として使用するか配席などの列席者に関するアドバイス。挙式とウェディングパーティに必要なさまざまな専門家、アイテムや料理などパーティに必要な手配と準備。
【4】結婚式当日は自宅に訪れたゲストの出迎えや案内、ふたりの介添え、結婚式進行の補助などをおこない結婚式当日をサポート。

自宅結婚式を計画準備するための費用は何が必要?平均的な費用相場は?

般的には自宅結婚式は一般的な結婚式と比較して費用を大きく抑えられることがメリットと言えます。

自宅結婚式の費用は一般的な結婚式費用より抑えられる傾向

通常結婚式をおこなうために必要な会場を貸切にする費用を始め、結婚式で新郎新婦が負担する費用である持ち込み料金は自宅を会場にするため不要になるためです。
その他のアイテムの手配やカメラマンや料理の手配も、会場を介してのマージンを取られることがないため、結婚式会場が提示する料金に比べると安く手配することができるでしょう。

自宅結婚式の費用は予算を決めてその中でやりくりすることも可能

自宅結婚式をフリープランナーに依頼する場合、一般的な結婚式会場やプロデュース会社に依頼する場合と異なり、指定された提携業者や定められた料金規定があるわけではありません。そのため、結婚式に必要なアイテムの料金や費用は、ふたりの希望する予算内でおさめられるよう選ぶことも可能です。結婚式やパーティの装飾や演出にふたりのこだわりが強ければ費用がかさんでしまうことも考えられますが、基本的には予算内でおさまるよう、ウェディングプランナーが調整してくれるケースが多いのです。

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写真提供:舘 ともみ

自宅結婚式の挙式セレモニーやパーティプログラムの流れや演出は?

自宅結婚式はどのような流れで挙式とウェディングが進んでいくのでしょうか。
挙式は別の挙式会場で執り行い披露パーティは自宅内や庭で開催するケースと、挙式も披露パーティも自宅で執り行うケースの、大きく分けて2つの流れがあります。

挙式は別の挙式会場で執り行い披露パーティは自宅内や庭で開催する場合の流れ

なじみ深い近くの神社や教会で厳かな挙式を挙げ、その後に自宅に移動してパーティをおこなうスタイルです。挙式会場から自宅まで距離がある場合は、マイクロバスやタクシーを手配した方が良いでしょう。

【自宅以外で挙式をおこなう場合のプログラム例】

時間 プログラム 演出
11:00~12:00 神社で神前式 挙式後に記念撮影
12:00~12:30 ゲストは用意されたバスで 新郎新婦は自宅に戻り次第
自宅に移動 和装から洋装へチェンジ
13:00~15:00 披露パーティ 自宅の庭で歓談中心の
ガーデンウェディング。
15:00~ 自宅での記念撮影
お開き&お見送り
一次会は一度お開き。
帰るゲストを新郎新婦と両家の親でお見送り
16:00~18:00 アフターパーティ 自宅の庭と室内を開放。
残ったゲストや途中参加のゲストと共に
二次会開催

挙式も披露パーティも自宅で執り行うケース

自宅で挙式を行うスタイルです。祝言スタイルや人前式がメインになりますが、神父を自宅に招き、キリスト教式の挙式を挙げることも可能です。

【自宅内で挙式をおこなう場合のプログラム例】

時間 プログラム 演出
11:00~12:00 人前挙式 自宅の庭にアーチを作成
立会人を招いての人前挙式
挙式後に記念撮影
12:00~12:30 アペリティフタイム ゲストにはそのまま庭で飲物やケータリングの
フィンガーフードを楽しんでもらう。
新郎新婦は簡単なお色直し
13:00~15:00 自宅内で披露パーティ 自宅内でコース料理を振る舞う。
途中ガーデンを開放し、
簡単なゲームを楽しんだりデザートビュッフェを用意
15:00~ お開き&お見送り 自宅の庭で記念撮影後、
ゲスト1人ひとりに引き出物を手渡しお見送り
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写真提供:舘 ともみ

自宅結婚式の魅力はふたりとゲストの歩んだ思い出を演出に反映できること

自宅結婚式は、ふたりと招待するゲストの思い出たくさんつまった場所が結婚式会場です。家にたっぷり保管されていた思い出の品物すべてが結婚式の演出アイテムです。
今までのふたりとゲストの思い出のフォトを飾ったり、思い出の品をディスプレイしたり、衣裳に祖父母や両親から譲り受けた振袖やスーツを婚礼衣裳として着用したり…。
今まで何気なく記録したりとっておいた思い出の品物が、ふたりとゲストの絆を確かめあう感動的な演出と装飾になるでしょう。
ふたりの自由なアイデアとゲストへの感謝の想いを、自宅でのウェディングで表現してみませんか?

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