「結婚式が終わったら会えないというは寂しい。おふたりの人生にそっと寄り添える存在でありたい」フリーウェディングプランナー・舘ともみ

更新日:2021.10.01

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ヘアメイク志望からウエディングプランナーの仕事の魅力に魅了され、オリジナルウェディングのプロデュースを学びたいと人気プロデュースサロンに飛び込んだ舘ともみさん。
ウェディングプランナーとしてさまざまな結婚式に出会い、新郎新婦と重ねた多くの時間から気づきを得た彼女が、独立して手がけるウェディングプロデュース【TOBEIGE(トゥベージュ)】。新郎新婦にとって本当に必要なものだけを集めた、スタイリッシュで洗練された結婚式が叶います。

何気ない会話が奇跡のアイデアに。自由なウェディングの可能性

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現役のウェディングプランナーである多くの方が、ホテルサービスやプランナーの養成校で学ばれています。美容専門学校出身という舘さんの経歴の意外性が、とても目を引きました。

プロのヘアメイクを目指して都内の美容専門学校で学んでいたものの、授業の現場研修で結婚式専門会場に入ったことが、進路転換となる大きなきっかけでした。
ウェディングプランナーの方たちの、プロフェッショナルなお仕事を目の当たりにして憧れをいだきました。何より新郎新婦と温かい関係を築いている姿を見て、純粋に素敵だなと思ったんです。

就職で一度は美容の道に進むも、やはりプランナーの仕事をやってみたいという思いがつのって、地元の茨城県に戻りゲストハウス型結婚式場へプランナーとして転職しました。一軒家完全貸切となりおふたりだけの空間がつくれる、とても素敵な会場でした。

ただ、何年か働いてプランナーとしてのベースができると、次のステップへ進みたいという欲求が出てきました。ひとつの限られた会場でお客様に提案できることの限界を感じて、「もっと結婚式をよくできるのでは?」という思いが強くなっていったんです。

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憧れプランナーの下でプロデュースを学びたい!情熱で上京し直談判

その想いが強くなって、オリジナルウェディングのプロデュースによって花嫁からカリスマ的な人気を誇る、プロデュースサロンへ入られます。入社のきっかけと経緯をお聞きしたいです。

オリジナルウェディングのプロデュースサロンの存在を、インターネットの情報で初めて知りました。出会えたときは「自分の求めているもの」にビジュアルもウェディングに対する考え方もぴったりだと感動しました。同時に、フリーランスとして独立するプランナーとしての働き方も知ることができたんです。

私は地元である茨城県のことが本当に大好きだったので「こんなに素敵な結婚式を地元でもつくりたい!」と思っていました。ウェディングプロデュースを東京で学んで地元に持ち帰り、地元の活性化に活かしていくことはきないかな?と考えたんです。
居てもたってもいられず、プロデュースサロンの代表に直談判するために上京します。結果、熱意が通じて入社を認めていただくことができました。

理想の会場がすぐ身近にあった。ウェディングへの考え方が変わった。

憧れのプランナーのもと、どのようなウェディングプロデュースを経験されたのでしょうか。特に思い出に残っているウェディングのお話を聞きたいです。

自然豊かなロケーションでのガーデンウェディングを中心に、さまざまな新郎新婦様のウェディングを担当させていただきました。それぞれとても思い出深いのですが、私のウェディングの観念を大きく変えた結婚式があります。
それは、ご自宅の庭をパーティ会場にデコレーションして、ウェディングをプロデュースしたことです。

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自宅のお庭のような身近な場所で、結婚式のようなセレモニーやパーティができるんですか?

もちろんできます! 
打ち合わせ当初から『自宅の庭でのウェディング』というコンセプトが決まっていた訳ではありません。
新婦様が飼われていた数匹の猫たちも一緒に結婚式に参加できたらいいな…という新婦さんの思いを聞き、そこから色々な話をしたり、実際にご自宅に伺わせていただいたり…どんどんアイデアが生まれていきました。
「実家の自宅の庭は広いから、こういうこともできそう」「もしかしたら…?」「できるかも!」と。

そうして実現したウェディングは、本当に素敵な1日になりました。
ゲスト以外の近所の人も「おめでとう」と祝福に訪れ、人々が自然と新郎新婦を中心に集まってくる、温かい空間が生まれました。
おふたりにとって一番ぴったりの場所は、本当に一番身近なところにあったんです。

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とても素敵なお話ですね。普段の日常生活の場がプロの手によるディレクションによって、ハレの日に相応しい素敵な場になることに驚いています。どんな意外なアイデアも自由に発言できるような空気でないと、絶対にたどり着かない結論です。

たわいもない会話でのなにげない一言がきっかけで、本当に大切なことが見えてくるという経験によって、その後の考え方に大きな影響を受けました。
まじめな打ち合わせだけでは生まれない、雑談ベースの自由でのびやかな発言からの気づきは大きい。そしてそれを見逃さずに紡いでくのが私の仕事なんだ、と。
それ以降、新郎新婦様との何気ない時間や、色々な機会を、できるだけ一緒に過ごすようにしています。

フリーランスのプランナーとして独立したいま、考えること

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オリジナルウェディングのプロデュースを学ばれたきっかけは、地元の茨城県で質の高いウェディングを作りたいという想いからでした。独立されたいま、茨城県に戻って活動される予定はあるのでしょうか?

独立へのきっかけは茨城県のウェディングの質を上げたい、活性化させたいという想いからのスタートでした。でも結婚式のご依頼を全国のさまざまな場所から受けているうちに、いまはもっと大きな範囲で「ウェディングのプロデュースを通じて、地方の活性化のきっかけをつくっていけないかな?」と考えるようになったんです。
フリーとして独立したいまは東京を拠点に、全国のどんな場所でもご依頼があれば駆け付けたいと思っています。

地方のステキなモノやヒトたちが結婚式をきっかけに“見つかってほしい”

どうして地元ベースから全国規模の『地元活性化』に、お仕事の目標が広がっていったのでしょうか?

プロデュースサロンに在籍していた約4年間、ガーデンウェディングのプロデュースを依頼されることが多かったのです。必然的に会場は豊かな自然や開放的な空間がある郊外や地方になります。それで地方を訪れる機会が激増したことが、地方について考えるようになったきっかけです。
北は岩手、南は沖縄まで行かせていただきました。
豊かな自然があふれる地方でウェディングをつくるとき、都会の大勢の人にはまだ知られていない、開拓されていない、素敵なものがたくさんあることに気づき、知ることができるのです。

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都心では、豊かな自然を楽しむガーデンウェディングは会場探しが難しい。
会場としておすすめの場所は、東京より1.5時間程度でアクセス良好な軽井沢、千葉、鎌倉や神奈川中央など。軽井沢はペンション宿泊も兼ねたガーデンウェディングも計画可能で人気も高い。

「みんなに知られていないこんな場所があるんだ!」と驚くほど美しい地方のロケーション、脈々と受け継がれた魅力的な特産品や伝統工芸、東京では知られていない素敵なクリエイターやフリーランスで独自の活動をしているヒト…。
ウェディングをつくるために東京からわざわざ持ち込むのではなく、そこにあるものだけで東京以上にとても素敵なパーティがつくれます。

地元の素敵な要素を、例えば料理や引き出物に取り入れれば、気に入ってくたれゲストが誰かの贈り物にすることもあるでしょう。そんな小さな『きっかけ』の種をまくことで、おふたりと、ゲストと、場所と、モノと、そして絆が広がりつながっていければいいなという想いが強くなっているのです。

無駄をはぶき、本当に必要な事だけ、大切な事だけでプランをつくる

舘さんが考える、野外という通常とは違ったロケーションでおこなうウェディングの魅力はどんな部分でしょうか。

ガーデンウェディングの魅力は、何もない会場にテントを立てたり、大自然の中にテーブル椅子を並べたり…心地よい場所・心地よい空間のパーティーを、本当にゼロから作り上げることができるんです。
テントをひとつ立てただけで、屋外が特別な空間になります。ウェディングプロデュースでは、本当に必要な事だけ、大切な事だけを厳選してつくればいいとしみじみ実感しました。

ガーデンウェディングの特別感を、もっと知ってほしい。
そこで、プランナー、フォトグラファー、ヘアメイク、衣装デザイナー…想いを共にするクリエイターが集まって、ガーデンセレモニーを取り入れたフォトプランも、2020年夏より始動しています。

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2020年夏より始動している、ガーデンセレモニーを主体とするフォトウェディングブランド【Leca Wedding】には、舘さんもプランナー兼空間デザインとして参加。写真の一番左が舘さん。
気鋭のクリエイターがおふたりのためだけに創り上げる空間の中で、セレモニー、撮影、希望があれば会食やパーティも楽しめる。
お問い合わせはこのページ下部にある『CONTACT』より。

挙式を入れたフォトプランとは、どのような内容になるのでしょうか。

プランナーは私ともう1名の2名体制、ガーデンの装飾を私が担当します。
通常のフォトウェディングと大きく違うところは、人前式を中心に進行するプランであるということです。
おふたりきりだけでなく、両家の親御様をはじめゲストを招待することも可能ですし、必要とあらば会食のセッティングももちろん手配します。

おふたりが必要と思う内容だけを組み込んで、無駄をはぶき、ふたりに必要なパーティースタイリングができる。ガーデンウェディングの最初のきっかけとなる選択肢は、たくさんあっていいと思っています。

ウェディングに大切な「衣装・ヘアメイク・空間デザイン」のバランスを整える

舘さんは美容学校で学んだ専門的な知識を活かして、新郎新婦の衣装や小物スタイリングを調整するだけでなく、空間デザインの施行やアイテムのデザインもされるとうかがいました。

美容学校で学んだおかげで、ヘア・メイク・ネイル・色彩・着付け…など一通りに資格を取得しています。もちろん、常に現場にたずさわるプロの方のようにはいきませんが。
ドレス、ヘアメイク、アクセサリーのバランスを考えてコーディネートをするが大好きなので、新婦様の衣装探しやフィッティング、ヘアメイクリハーサルには、必ず同行しています。
会場の装飾や空間デザインも自分で手がけているので、おふたりに合わせてを前提に、会場やアイテムのバランスも調整、コーディネートしているんです。

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リハーサルでヘアメイクの要望やニュアンスを伝えるのは本当に難しいというお話や失敗談はよく聞きます。自分も美容室で画像を見せたり言葉で伝えたりしますが、きちんと伝わっているかいつも不安です。一番密に接しているプランナーの方に、専門的な見地から細かくフォローを入れていただけるのは本当に心強いでしょう

そのほかにも、新郎様の衣装探しやタキシードのフィッティングにも同行するようにしているんです。
男性は骨格がみんな違うので、本当に自分にあったサイズを着てほしいと思っています。骨格にあっているものは、まったくバランスと見栄えが違うのです。なので、時にはオーダーをおすすめすることもあります。

ウェディングのバランスと衣装は密接です。好みだけでなく、新郎様に客観的に似合っていて、その後も末永く着まわせるテイストやデザインを提案しています。
衣装や小物選びでのコンセプトは『おふたりの次につながるもの』がモットーです。
普段着でスーツを着る方、まったく着ない方、ライフスタイルに合わせて提案してくれるクリエイターを中心に紹介しています。

いまはオーダー料金も一般の価値観から見たら値ごろでレンタルより安い場合も多いですから。
オーダーは気になっていたけれど、敷居が高いのでは?と身構えていた方にも、今のオーダーメイドの新しい情報を知っていただけるのではと思っています。

結婚式をやらない選択から「やりたい」という選択肢を作りたい

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ずっとウェディング業界で走り続けてきた舘さんにとって『結婚式』とは、どのような意味があるものでしょうか。

おふたりが心を通わせるために『挙げてほしいもの』です。ナシ婚の選択が増えているいま、きちんと『結婚式を挙げる意味がある』ことを、私たちプランナーが伝えていく必要があると思っています。
結婚式をやらない選択肢を選びかけている方に、『やりたい』と思っていただける結婚式を、おふたりとともに考えて、丁寧に提案していくことが、その第一歩なんです。

結婚式に憧れがあって“大切な人を招待したい、会いたい”という気持ちもある。でも、世間の状況、自身の状況、年齢、「結婚式っていまさら挙げる意味あるの?」という否定的な言葉…結婚式をやりたいな、と思う気持ちがいつの間にかしぼんでいってしまう現状もあるでしょう。考えることが億劫になってしまい「結婚式やらなくていいじゃない」と。

だからいま「これだったら、私たちらしいじゃない?」と思ってもらうきっかけづくりが、とても大切だと思っているんです。

やってもいいんじゃない?という選択肢は、たくさんの話し合いや自由な発想から、そして絶対的な味方であるプランナーがサポートすることで、見つかっていくと思っています。
そういうおふたりをたくさん見てきて、そして「やってよかった」と言っていただく経験を、独立前にたくさん積ませてもらうことができましたから。

その後も2人の人生にそっと寄り添える存在でありたい

舘さんとお話をしていると、初見のイメージと大きく変わってきているんです。とてもスタイリッシュな方だから、もっとサバサバしているのかと勝手に思っていたのですが、話してみるとと、とても打ち解けやすいのんびりされた雰囲気で…むしろなごみ系というか…。

「写真とイメージが違うね」と、いろいろな人によく言われます(笑)。
いいことなのか、悪いことなのか…。

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それは、皆さん絶対にいい意味で言っていると思いますよ。舘さんとお話していると、いままで出会った新郎新婦のことが、本当に大好きなんだという想いが、ひしひしと伝わってきますから。

はい。おふたりのことが大好きなんです。
独立した大きな理由のひとつも、『新郎新婦×わたし』という世界が見たかったから。だから、結婚式だけで関係を終わりたくないなんですよ。
結婚式が終わったら、もうおふたりと会えないというはとても寂しいので「その後も2人の人生にそっと寄り添える存在でありたい」と思うのですが、ウェディングのプランニングだけでは正直、難しいですよね…。

美容学校でヘアメイクを学んだ経験を活かし、おふたりのお子さまの七五三のフォト撮影のヘアメイクのお手伝いや、ご家族の何かのお祝いパーティの、ささやかなプロデュースまで。ライフイベントでまた関われるようになることを目指しているんです。
おふたりに「また〇〇の時に会いましょう!」といえる関係まで、ずっと、ずっと。

フリーウェディングプランナー【舘ともみ】profile

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茨城県出身。プランナー歴は9年目。

美容学校を卒業後、ゲストハウス型の結婚式場へ入社。もっと結婚式を学びたいという想いから、ガーデンウエディングを数多く行うプロデュース会社のウェディングプランナーを経験し、4年で多くの経験や大切な体験を経て、フリーランスとして独立。

新郎新婦のスタイリングからプランニング・会場の装飾・結婚式当日まで、2人にとってベストな形をトータルでプロデュースするスタイルが特徴。
主に都心から離れた郊外や地方で多くのガーデンウェディングを手がけた経験から、地方に秘められた“ステキなモノやクリエイティブなもの”が、もっと見つかってほしいという思いほ込め、プロデュースの際はそういったものをさりげなく提案し織り交ぜていく。

結婚式が終わったら会えないというは寂しいので「その後も2人の人生にそっと寄り添える存在でありたい」という思いで活動中。

舘 ともみさんへ結婚式の相談など、
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