【小さなセレモニー】を簡単にいうと、「ガーデンでのふたりだけの挙式セレモニーをおこない、撮影する挙式つきのフォトウェディング」との解釈であっているのでしょうか？

舘 【小さなセレモニー】はどちらかといえば、ガーデンセレモニーを主体としたプランだと私は考えています。
一般的なフォトウェディングでは、ロケーションの候補地の中から撮影場所を選び、限られた時間内でカメラマンの指示のもと、ポーズをとりながらの撮影が行われます。ですが、決まりきった撮影をするのではなく、おふたりの気持ちを伝え合う、小さけれどきちんとしたセレモニーをおこなう時間を主体としたプランを作りたい、とプランナー2人の思いが重なったことが、プランを立ち上げるきっかけでした。

ウェディングプランナーである舘さんの最も得意としているガーデンウェディングのスタイルを、シンプルなプランと洗練されたデコレーションで楽しめるアイデアに、強く心を揺さぶられました。いままでのフォトウェディングでは絶対に撮影できないビジュアルや、おふたりにぴったりのデコレーションも魅力的です。なぜこんな形式のプランを？アイデアの意図やテーマを教えてください。

舘 ガーデンウェディングを本格的に行おうとすると、準備期間も費用もそれなりにかかります。もっと気楽に、ふたりにとっ一番居心地のよい場所で、ガーデンウェディングを楽しみ、フォトだけではない思い出を残してほしいとの考えからスタートしました。
さまざまな事情やコロナ禍で結婚式を延期せざるを得ない、または諦めかけている方かたちに「結婚式を諦めないで、大切な思い出を作り残せる場を一緒に作りたい」という考えのもと、おふたりに寄り添えるための工夫を凝らしたプランになっています。

【小さなセレモニー】丁寧にオリジナルセレモニーをつくるプランニングの流れ

【小さなセレモニー】の内容は、お聞きした限りではオリジナル要素が強いと感じました。費用にはどんな内容が含まれているのでしょうか。価格的には、フォトウェディングの価格と比べると高いと感じられるものの、一般的な結婚式の挙式と比べると相場はほとんど変わりはありません。

舘 【小さなセレモニー】のプランの中には、ガーデンセレモニーと撮影に必要なアイテムや、オリジナルウェディングのプロデュースに必要な準備や過程はすべて含まれています。

結婚式をおこなうために必要な内容がほとんどついて、プライスはお得な印象です。カメラマンによる撮影データもプライスに含まれているのでしょうか？

舘 もちろん、撮影したデータのお渡しも含まれています。挙式会場の設営やデコレーションの費用なども含みます。

問い合わせ後、決定から挙式当日までの打合せや準備の流れはどのようになっているのでしょうか。

舘 問い合わせ後に、まずはおふたりがどんなガーデンセレモニーを望んでいるか、詳しくうかがう機会を設けます。ヒアリングしてこちらからの提案や費用見積りを含め、打合せを通じてご納得いただいたところで契約を決定します。

舘 ムードボードとは、アイデアがより詳しく伝わるように関連する素材を集めコラージュした資料です。おふたりのウェディングのイメージをヒアリングから具体化し、写真、イラスト、カラーパレット、文章などで、アイデアをプランナーが表現し、装飾や衣装についてレポート等で作成しお渡しします。
2回の打合せのなかで、衣装選びをあわせて行います。衣装選びには、新郎新婦のおふたりにプランナーも同行します。会場の雰囲気や会場装飾、アクセサリーに至るまで、トータルでコーディネートしておふたり世界観にあうようにアドバイスやプロモーションをできる限りおこなうためです。

セレモニーと撮影だけのシンプルなプランとは思えぬほど、綿密な打合せが行われるんですね。成約後、打合せやセレモニー当日までの準備期間はどのぐらいかかるでしょうか？

舘 おふたりがプランをご決定いただいたら、お急ぎの場合は打合せ込みで最短2カ月でセレモニーまでの準備は可能です。
ただ、ガーデンセレモニーは屋外での撮影になるので、気候や天候の良い時期を選びたい方が多いのです。申し込みのタイミングにもよりますが、じっくり準備したい場合なら5カ月程度は見ておいていただきたいです。

【小さなセレモニー】開放的な空間でセレモニーや撮影をとことん楽しむには

挙式の立ち会いは家族やゲストも可能なのでしょうか？

舘 挙式は基本的には証明書にサインをするシンプルスタイルで、おふたりのご希望に沿って他のセレモニーを取り入れて計画できます。おふたりきりのセレモニーの場合は、プランナー、ヘアメイク、カメラマンがおふたりの誓いの場に立ち会います。もちろん、ご家族や親しいお友達の立ち会いや参加も可能です。

ガーデンセレモニーの会場となるロケーション選びは、どのようにして決めていくのでしょうか？

舘 方法はふたりに合わせてさまざまです。例えば、おふたりのイメージや叶えたいこと、好きなことなどをまずヒアリングさせていただきます。
家族や友人にも参加して欲しい、ふたりだけで当日を迎えたい、特別な場所へいきたい…などご希望は本当にそれぞれです。
ヒアリングに基づいて、ふたりに合ったスタイルを一緒に見つけ出し、いくつかの場所をご提案をさせていただきます。

舘 契約前にふたりの希望や思いをできるだけヒアリングして、さまざまな候補からふたりにぴったりのガーデンセレモニーができる場所を探します。ロケーション候補は、もちろんおふたりから提案していただいてかまいません。候補地までのロケハンに、もちろん同行します。

衣装選びやヘアメイクに、プランナーである舘さんが同行していただけるそうですね。新郎と新婦、それぞれにどんなアドバイスが具体的にはあるのでしょうか。

舘 実例に挙げているフォトの新郎新婦どちらも、私が衣装合わせに同行させていただきました。
じつは、私は美容学校で学んできており、ヘア・メイク・ネイル・色彩・着付け…一通りに資格を取得しています。もちろん、常に現場にたずさわるプロの方のようにはいきませんが。
ドレス、ヘアメイク、アクセサリーのバランスを考えてコーディネートをするのが大好きなので、新婦様の衣装探しやフィッティング、ヘアメイクリハーサルには、必ず同行しているのです。
会場の装飾や空間デザインを自分で手がけているので、おふたりに合わせてを前提に、会場やアイテムのバランスを調整、コーディネートしています。

カメラマンやヘアメイクといったチームの選別はどんな基準でおこないますか？

舘 チーム編成は基本的には4名体制で当日までアテンドします。メンバーはカメラマン、ヘアメイク、プランナーです。
撮影には、屋外での撮影が得意で、細かい連携の取れる信頼のおけるカメラマンの方に依頼しています。基本的にカメラマンはこちらで選別しますが、持ち込みやおふたりからの提案についても柔軟に対応できます。
ヘアメイクは現在、普段ファッションを手掛ける方に依頼しています。ウェディングで定番のパーティ用ヘアメイクとはひと味違う、本人にあったおしゃれでナチュラルな雰囲気を出して欲しいとの考えからです。

セレモニーと撮影時間の楽しみ方を教えてください。

舘 よくSNSにありがちな決めポーズはあまりしないで、普段のふたりの距離感で、会話やガーデンセレモニーの開放感溢れるロケーションを、自然に思い切り楽しんでください。
自然の中でクリエイターたちも一緒にワイワイして、おしゃべりを楽しみながら全員でおふたりのウェディングをお祝いし、盛り上げます。
セレモニーの後、そのままガーデンでの会食や、場所を移してレストランでのパーティの用意も、手配や準備をお手伝いいたします。

【小さなセレモニー】限りなくシンプルなウェディングプランにした意味

舘 【小さなセレモニー】は、できるだけ無駄をそぎ押した、結婚式に必要な最小限だけを揃え、セレモニーはシンプルな誓いのみのプランにしました。なぜなら、おふたりに「みんなやってるから」だけの理由で結婚式の中身を作らないでほしいと考えたからです。
ふたりにはふたりの形があります。だから、小さなセレモニーからスタートして、おふたりにとって本当に必要なものだけを取り入れていくスタイルになっているんです。

コロナ禍を通じて、ますます「スタートから一緒に積み重ねていくウェディングの形がもっともっと主流になってほしい」という思いが強くなりました。
「おふたりとと共に歩むウェディングをつくりたい」
これからも気持ちは変わりません。私の任務はおふたりにとって最高な1日をつくり続けることだと考えています。

フリーウェディングプランナー【舘ともみ】profile