【家族だけ、大切なひとだけで結婚式】大勢の招待客…それって、本当にふたりにとって必要ですか?フリープランナー・若林景子さん

更新日:2022.04.25

画像

コロナ禍で結婚式招待の規模を縮小せざるを得なくなった2021年は「少人数でのウェディングスタイル」に注目が集まった年。
しかし大手からフリープランナーに転身した若林景子さんにとって、ゲストを大切なひとだけに厳選しておこなう結婚式は、今までのウェディングスタイルでは叶えられなかったふたりの希望が叶う魅力溢れるスタイル。
「きっかけは世情でも、妥協を上回る価値観のあるスタイルであると伝えたい」とゲストのリストアップからこだわって準備する重要性を語ってくれました。
日本のウェディングシーンを牽引する著名なプロデュース会社に所属し、プレ花嫁なら誰もが知っている憧れの人気会場で華やかな結婚式を作り続け、500組以上のカップルに寄り添うエースプランナーだった若林さん。
独立後、自身の手がける【Always-yours.wedding(オールウェイズユアーズウェディング)】で提案する「ふたりにとって大切な人と過ごせる心地よい時間」とは。

画像

「大勢のゲストは本当に必要?」コロナ禍以前から考えていた少人数ウェディングの魅力

少人数のウェディングスタイルはコロナ禍で最も注目されています。SNSでのプレ花嫁の投稿を読んだり口コミ体験を見ていると、世の中の事情的に、大人数招待から少人数招待に切り替えざるを得ない方が、とても多いと感じます。

若林 コロナ禍で私に問い合わせしてくれるおふたの相談を受けている際には「少人数にするのはしょうがないかな」といった声を良く聞きましたね。
相談前のおふたりにとって、結婚式の招待数を減らすのは世情に合わせた妥協であり残念な気持ちがとても強く「こんな状況で結婚式を挙げても…」と、マイナスな捉え方になってしまっていました。

若林さんは、コロナ禍以前から書かれたブログなどを読むと「ゲストのリストアップの大切さ」や「ゲストにきめ細やかに合わせた自由なウェディングスタイル」を、ずっと綴って来られていました。
今回、Lejuに所属するプランナーの中でも若林さんに【家族のみや大切なひとだけを招待する少人数での結婚式】について伺おうと思ったのは、若林さんの独立前のキャリアから考えると、かなり意外な方針だったからです。

【若林さんの“独立以前の経歴”とは…?】
若林さんがフリー独立前にウェディングプランナーとして働いていたのは『TRUNK BY SHOTO GALLERY』や『青山迎賓館』…結婚式会場を探すプレ花嫁なら、誰も一度は目にする憧れの人気会場。
さらにオーダーメイドスタイルのウェディングをプロデュースする精鋭チーム『Haute couture Design(オートクチュールデザイン)』にも参加し、日本のウェディングのトレンド最前線でキャリアを積んできた。
格式高くゲスト対応への配慮に重点を置いた結婚式から、欧米の自由なスタイルを詰め込んだトレンド感ある華やかな挙式まで、日本のゲストハウスウェディングのスタイルをすべて見てきた経験値と会場の幅広ささは、Leju所属のプランナー陣内でも群を抜いている。

画像

若林 実際わたしも、以前所属していたプロデュース会社でプランナーをしていた頃は「とにかく沢山の方を招待しましょう。『呼ばぬ失礼』なんて言葉もありますよ」とお伝えしてきました。もちろん「自分のために大切な人たちが集まってくれる日なんて、人生では結婚式だけだから」との思いからの発言です。

コロナ禍前までは、誰もが思い浮かべるスタンダードなウェディングスタイルは“大勢の縁あるひとを招待してふたりが祝福される時間”でした。
『ゲスト数が少ない=普通に思い描いていた結婚式ができない』と残念に感じてしまう気持ちは、よく分かります。

若林 ただ、たくさんの結婚式をお手伝いするなかで「大勢のひとを招待するのが良いと一方的に考えるのは、本当に正しい考えなのかな?」と疑問が生じてきたんです。
挙式とパーティの限られた結婚式の1日のなかで、家族へ感謝の気持ちを伝えたいと口にする方は沢山いらっしゃるのです。
しかし、多くの方が希望する『大事なひとたちにきちんと感謝を伝えたい。結婚式の1日を自分たちらしく大切にしたい』気持ちを叶えられるのは、実はとても難しいんです。

画像

「大切なゲストに感謝をつたえ絆を深める結婚式」は今まで通りのスタイルでは難しい

たしかに、ゼクシィのトレンド調査でも『新郎新婦が披露宴・披露パーティをあげた理由』として“親・親族に感謝の気持ちを伝えるため(2013年73.0%→2019年80.6%)”や、“親・親族に喜んでもらうため(2013年58.5%→2019年62.8%)”がコロナ禍に入る前にも大きく増加しています。

若林 ところが結婚式場に勤めていた頃は、「親や家族に感謝したい、喜んでもらいたい」新郎新婦の希望と、実際の現場での空気の乖離(かいり)に、とても違和感を感じていました。
どんなに華やかで楽しい結婚式も、よくよく見ていると、熱狂と盛り上がりの輪の中に温度差を感じて、おいてきぼりになってしまう方たちが必ずいらっしゃるんです。
ただ席に座って食事をして、新郎新婦をあまり見ないで時間が空いたら外にタバコを吸いにいく方。
友人たちが高砂に集まって新郎新婦とワーと盛り上がっている一方で、写真を撮りたかったり話しかけに行きたくても、側に行けないおばあちゃんや親戚の方たち。話せるのはテーブルラウンドで新郎新婦が来たほんの2・3分だけ…

若林さんの話からリアルに、情景が浮かんできて胸が痛いです…。
実は、聞き手のわたし自身の結婚式が、まさに『ゲストの多い結婚式』でした。
おっしゃる通り、家族とも親族とも、静岡から東京に来てくれた大好きな祖父母とも、ほとんど会話できないまま結婚式が終わってしまいました。

若林 遠方から来た久しぶりに会う親戚の方たちとのふれあいが、あっという間に終わってしまうのがとても残念で、何度も寂しい気持ちになってしまいました。
もちろん総じて見ればワイワイと楽しい雰囲気の披露宴ですし、大勢での華やかな結婚式ならではの良さやメリットも十分に熟知しています。
招待人数の多い結婚式では、どんなに工夫しても、会場内での温度差が生まれてしまいます。

画像

会場の空気から“おいてけぼり”を感じた人たち、特に自身の結婚式はまだこれからの人たちにとって、最近増加しているナシ婚層の増加につながっているとも感じます。
今までの大人数の結婚式の空気に馴染めず「結婚式なんて必要ないのでは?」「やりたい結婚式が分からない」といった価値観を強めてしまう理由のひとつかもしれません。

若林 “ふたりの希望する結婚式”に沢山のゲストを呼ぶのが必ずしも正しいとは、いまの私は思っていません。
そして、コロナ禍だから『少人数ウェディング』を妥協して選択するのが、良いのでもありません。
まず自身が相談にのる際は、結婚式について「ふたりがふたりらしく過ごせる結婚式とは、本当に大勢のゲストは必要でしょうか?」と考えるところから、相談を受けています。
コロナ禍でも招待に応じて来てくださった方たちは、全員お互いの思い出をずっと語れるぐらい、絆が強い大切なひとたちのはず。
大事な人たちと過ごす1日はきっとかけがえのない、人生の中で最幸の1日になるはずなんです。

画像

「結婚式の準備は何から始める?」ゲストのリストアップを楽しんで始めよう

若林さんは結婚式で「どんな結婚式がしたいのか見当もつかない。何から始めたらいいか分からない」と不安なふたりに、まずはゲストのリストアップをしようと勧めていますね。ふたりにとって『本当に必要なゲスト』だけを選ぶと、どんな景色が見えるのでしょうか。

若林 結婚式の準備で必要なタスクはたくさんあります。ですが、まず最初にゲストのリストアップの時間を、楽しんで欲しいんです。
リストアップって、大切な日に来てもらいたい、傍らにいて欲しい人は…と頭を巡らせながら自分の人生に何らかの形で関わってくれた人たちを思い返す時間でしょう?
今までたった一人で生きてきた人はいないはずですから、今までの人生で、楽しかった、大切な思い出でつながっている人を書き出す時間は、本当に幸せな時間になります。

【結婚式でリストアップする際にあなたが呼びたい人は…?】
産まれてから大きくなるまで傍で見守ってくれた 家族や親戚
学生時代辛い経験も楽しい経験も分かち合ってきた 友人たち
働き始めてから一緒に切磋琢磨しながら支え合ってきた 職場の人たち
お世話になった 上司や恩師の先生 …などなど

通常結婚式会場に見学にいく場合『ゲスト数、予算、希望のスタイル』は自分たちで決めておくのが前提で、下調べにも時間がかかる。
しかし、フリープランナーとの最初のコンタクト「無料カウンセリング」では、こういった結婚式準備の心構えから相談にのってくれる。

画像

なるほど!シンプルで分かりやすいです。
リストアップし、ゲストの顔がひとり一人見えてくると、自分たちが結婚式で「ゲストをどんな風に楽しませたいか、もてなしたいか」も、じんわりと見えてきますね。

若林 “ただ数をそろえる”のではなく“大事な思い出がある”人をひとり一人書き出していけば、おふたりは何をこだわりたいかや、どんな雰囲気の結婚式にしたいかより見えやすくなります。
結婚式で絶対に来てほしいと選んだ大事な方たちと会える、触れあえる時間を、どんな風に過ごしたいか、より絞り込んで具体的に考えられるので、楽しみになるでしょう。

もちろん人数が分からないと、具体的に計画と準備が進まないといった現実的な理由もあります。ゲスト数から会場を探す際の広さの基準を割り出すので、見積も予算も決めるのはゲスト数からです。
手探り状態で計画を進めてしまうと、後々の後悔も多いんです。

【ウェディングセカンドオピニオンサービスとは…?】
結婚が決まったら 悩みは沢山あるはず。
・何から結婚式準備をはじめたらいいの?
・いまの時期に結婚式をやって大丈夫?
・パートナーとウェディングに関する意見や熱量が合わない
・会場見学に行く際のアドバイスや見積もり相談
・自分らしい結婚式って?コンセプトメイキングや手作りアイテム相談
・他社で契約し結婚式準備を進めているが、いろいろ不安や不満がある。客観的に見て大丈夫?どうすれば改善できる?…等

結婚式会場に相談するのが難しい相談を、大手ウェディング会社でプロデュースだけでなく広告宣伝部やマーケティングなど、ウェディング業界で幅広い経験、長年培った豊富な知識をもとに、若林さんがどんな小さな悩みや問題でも相談にのってくれる。

*オンライン・対面どちらでも可能ですのでまずはお問い合わせください
*初回カウンセリングは無料です

画像

「会場決定が先か、プランナー探しが先か」準備方法を変えたら結婚式は変わる

ゲストのリストアップって、結婚式をするうえで本当に重要なんですね。
コロナ禍を体験する前は「結婚式は当たり前にやるセレモニー、たくさんの人を呼ぶパーティ」と思っていましたから、私も『大勢を招待する結婚式』をやりたかったので後悔はないのですが、準備期間には「本当にこんな形でいいのかな?大勢の人は楽しんでもらえるのか?」と不安がいっぱいでした…。
自分も結婚式準備を始める前に若林さんの助言を受けて、一旦冷静に考える時間が欲しかったですね。

若林 私もプロデュース会社所属のプランナーとして働いているとき、自社のサービスを販売してルールを守るのは絶対でした。
もちろん考え方は社員のひとりとして正しいのですが、沢山の経験を積めば積むほど、お客様の話を聞くたびに「実は今のサービスより違うほうがいいんじゃないか…おふたりの希望をできないと答えなくてはいけない…」と自分の中でのモヤモヤは増えてきました。

【若林さんが学んだ欧米のウェディングスタイルとは…?】
ウェディングプランナー8年目に、当時勤めていた会社のニューヨーク研修の公募に応募。高倍率から見事に合格。ウェディング最前線の世界を学ぶ研修への参加が、後のウェディングへの価値観を大きく変えるきっかけに。
日本は結婚が決まったら準備は結婚式場探しから開始が一般的だが、ニューヨークはスタートがまずはウェディングプランナー探しから始まる。
結婚式はプランナーがふたりの好みに合いそうなベンダー(各業者)を探して提案。紹介されるベンダーたちはフォトグラファーやドレスデザイナー、フラワーデザイナー、ペーパーデザイナー、ケータリング、照明、家具、リネン・・・全て各分野のプロフェッショナルたち。
ふたりにぴったりな、プロフェッショナルな人たちをウェディングプランナーが束ねてゼロから創りあげる。ひとつとして同じウェディングはない。
若林さんは本格的なフリープランナーのプロデュース方法をニューヨークで触れ、学び、帰国後さらに会社で経験を積んで人脈づくりを広げたうえで、独立への機会を伺っていた。

画像

若林 実は、私がフリーウェディングプランナーとして独立する際に大切にしたかったのは『お客様ひとり一人の目線に立ってお手伝いをしたい』からです。
100組の新郎新婦のおふたりがいらしたら、100通りのスタイルがあって当然なんです。
“ゲスト数の多い、少ない”も“挙式の格式や厳粛性にこだわる、自由なスタイルで執り行う”のも、すべておふたりによって違ってくるはず。
「すべての異なるおふたり」への想いが【Always-yours wedding】のブランド名につながっています。

直訳すると“いつもの、あなたらしい結婚式”といった意味ですね。

若林 結婚式って やはり特別な日で 普段とは違う自分を見せたい!と思う人も多いでしょう。
ただ、長い人生の中で本当に自分にとって大切な人たちが、自分のために笑顔で集まってくれる貴重な日を、普段とは違う自分で、本当に幸せで楽しい時間になるのでしょうか。
『自分らしくいつつも、普段とは違う特別感も味わいたい』境界線って本当に難しいだろうなと思います。だから絶妙なラインでのプロデュースを可能にするのは既存のサービスではなく、フリーランスの立場だから可能なんです。
普段着でナチュラルメイクのふたりではなく、自分の「好き」を身につけて、大好きな人たちを迎えて、自分らしくいつもの笑顔で迎えられる日を作るお手伝いがしたいんです。

【フリープランナーが提案する“自分らしい結婚式”とは…?】
若林さんがウェディングプロデュースで特に重点を置いているのは、ゲストひとり一人としっかり関われる時間作り。演出などは控えめに、空間や食事などを楽しめるようにして、余白を大切にするスタイル。 フリープランナーと共に具体的に形にしていくサービス内容とは…

・ギフト(ゲストへ感謝の気持ちを伝える贈り物、引き出物)をひとり一人に合わせプレゼントを選べる。衣裳やアイテムもなにを選べばいいかもプランナーがヒアリングして、すべてに相談にのってくれる。

・結婚式のアイテム(会場、衣裳、料理、装飾、演出、音楽、招待状…)ひとつひとつに自分たちの“好き”にこだわれる。「なぜ選んだか」人柄、ゲストとの背景を込めて意味のあるシーンにできる。

・生まれ育った家で支度して衣裳のまま出発、支度を整え晴れ姿を一番最初に家族に自宅で見せられるファーストミート…といった、既存の結婚式会場の提供するサービスではできない、きめ細やかな家族とのワンシーンが作れる

・コロナ禍で注目を集める少人数のゲストとの時間をより思い出深くする「滞在型結婚式」「自宅結婚式」「レストランでの会食結婚式」といった、既存のプロデュース会社では難しいウェディングスタイルが実現できる

・ふたりの無理のない費用と準備量をフリープランナーが調整可能

なるほど。結婚式準備を通して、隅から隅までふたりの人生で培ってきた「好き」を一緒に確認できる時間にできる。
そんなふたりに寄り添って、ふたりの好きを深堀して形にしてくれるのが、フリープランナーにプロデュースを依頼する醍醐味なんですね。

若林 いつでも自分らしく、特別な日を背伸びせずに好きなアイテムやテイストと大切なヒトに囲まれた結婚式を一緒に創っていくために、独立してウェディングブランドを開始しました。
そして「コロナ禍だから」ではなく、妥協で少人数ではなく、ふたりにとって「大切なひとだけの形だから本当に良かった」と思える時間にしたいですね。
感謝を伝えられる、ひとり一人とじっくり向き合える時間を作りたい。
例えスタートは世の中の流れや事情であっても、提案するウェディングスタイルは今までを上回る『価値観あるスタイル』であると伝えたいです。

フリーウェディングプランナー【若林景子】profile

画像

栃木県出身。広告代理店での営業経験を経て、ウェディングプランナーに転職。
(株)テイクアンドギヴ・ニーズに在籍する10年間で、500組以上の新郎新婦のウェディングに寄り添ってきた。

ニューヨーク研修で「自分の好きなものだけを集めて創り上げる自由なウェディングスタイル」を見て感銘を受け、後の仕事にも大きく影響する。
日本のウェディングトレンドを牽引する会場で磨いたプロデュース・スキルを活かし、引き出しの多さで様々なニーズに対応したプランニングが特徴。マニュアル、固定概念に縛られずアイデアを駆使し、新郎新婦のやりたい希望には絶対に「No」とは言わない。

子供の出産を機に5年前から拠点を多摩地区に移し、現在は1児の母&フリーランスのウェディングプランナーとして活動中。家訓は「Que Sera Sera〜なるようになる〜」常に笑って笑顔でなんとかなると乗り切るのがモットー。

若林景子さんについて詳しく知りたい方は
こちら

profile
若林景子

この記事を書いたライター

カテゴリー