結婚式を計画する際に、とても重要な役割を担っているのがウェディングプランナー。日本の結婚式では今まで会場や企業に所属するプランナーに依頼することが一般的でしたが、多様化する結婚式ニーズをしっかりヒアリングして、会場選びから予算管理まできめ細やかに対応できるフリーランスのウェディングプランナーにも注目が集まっています。ウェディングプランナーの仕事や役割の内容、企業所属とフリーのプランナーの違いをご紹介します。
もくじ
ウェディングプランナーとは。基本的な役割や仕事内容
ウェディングプランナーとは、簡単にいうと『おふたりの結婚式のプランニングとアドバイスを請け負う』仕事をする人のことを言います。現在では“ブライダルコーディネーター”や“ウェディングプロデューサー”とも呼ばれる場合がありますが、基本的に仕事や役割は皆一緒です。
結婚式には誓いの儀式を行う「挙式」と、挙式を終えた二人が皆にお披露目して会食をする「披露パーティ」がありますが、この一連のイベントの会場準備や料理、装花、写真、衣装、ヘアメイク、引出物等の提案など、パーティに必要なアイテム選びの補佐や手配を行い、費用面では料金の見積りから金銭的な調整、当日のアテンドまでを一手に引き受けてくれます。
いわば、結婚式をトータルでプロデュースする役割を担ってくれる人なのです。
ウェディングプランナーの仕事内容と役割
ウェディングプランナーの仕事は、結婚式にかかわるすべて人、物、お金を総合的にプランニングした上で、新郎新婦の意向やニーズに合う結婚式になるように調整して提案します。おふたりの同意が得られたら、必要な備品や人材の手配を行い結婚式の準備を行います。
もちろん、準備にかかる費用の見積りから予算額の調整、おふたりに支払いに不安がある場合には、支払い方法の相談や提案まで…結婚式プランを立てるだけでなく、準備から当日までの管理業務、金銭管理や支払い面での提案も行うため、かなり広い範囲での専門的な知識が必要な仕事なのです。
ウェディングプランナーの主な仕事【1】顧客との面談・ヒアリング
おふたりの希望(ゲスト数・予算・日程・こだわり等)をヒアリングし、会場側が用意する適切なプランを提案します。
自社会場をもたないプロデュース会社でのプランナーの場合は、ふたりがイメージする結婚式に合った場所や演出を提案します。
ウェディングプランナーの主な仕事【2】見積りと契約
おふたりの希望をヒアリングしたうえで、理想の結婚式にするにはいくら費用がかかるのかを計算し、見積りを出します。また、おふたりの持ち合わせや予算なども踏まえ、金額を調整するなどの仕事も行います。
プラン提案と見積りで二人の了解を得られたら、会場や各アイテムを準備するための契約を行い、それぞれの準備を開始します。
ウェディングプランナーの主な仕事【3】打ち合わせ・人材や資材の手配
結婚式プランの詳細な内容を決めていくために、数回の打ち合わせを新郎新婦と行います。
衣裳選びや装飾装花のテイスト、ゲストを楽しませるための料理コースの内容や演出提案、新郎新婦のヘアメイクなどの相談やメンタルケアなど、細部の相談に乗ることも。
また、打ち合わせで詳細が決定した内容に沿って、結婚式当日の司会やカメラマン、神父、音響スタッフ等の人材に加え、ブーケ、ウェディングケーキ等の品物の手配と管理業務なども行います。
ウェディングプランナーの主な仕事【4】当日の運営業務
結婚式当日は全体の運営と新郎新婦をアテンドするという、非常に責任ある仕事を担います。結婚式をタイムスケジュールどおりに進めていけるよう、会場全体に気を配り、各スタッフを動かす「司令塔」の役割を果たします。
また新郎新婦のアテンドは、当日のお出迎えから始まり、おふたりが支度をしている間に、サービス係やスタッフたちと会場の最終チェックも綿密に行います。結婚式が始まったら、常に新郎新婦のそばに寄り添い、次の動きの案内や立ち位置の誘導を行います。パーティ終了後の新郎新婦の着替えが済んでお見送りまでが、ウエディングプランナーの役割です。
フリーのウェディングプランナーとは。企業所属のプランナーとの違い
通常ウェディングプランナーは、結婚式を行う式場やホテルなどの会場、結婚式をプロデュースする運営会社など、結婚式サービスを提供する企業や法人に所属しており、その企業や法人が提示するサービスに下見や申込をしてきた人からの依頼を受けて、サービスを行います。
しかし、近年では多様化する結婚式のニーズへの対応に特化した『フリーランスのウェディングプランナー』に依頼する方も増加傾向にあるのです。フリーのウェディングプランナーとは、企業に所属するウェディングプランナーと比べて、仕事や役割はどのような違いがあるのでしょうか。
フリーランスのウエディングプランナーとは
フリーランスウエディングプランナーとは、会場やプロデュース会社等の企業に雇用されるのではなく、新郎新婦に直接雇用されて契約を結び、仕事をするプランナーのこと。
現在の日本では、結婚式を計画する際はまず会場選びから始め、決定した会場に所属するプランナーに全てのプランニングを依頼するというのが一般的です。
しかし欧米では、新郎新婦がどのような結婚式にしたいかを自分たちで決め、そのプランを実現するための補佐としてプロフェッショナルなプランナーを自ら探して依頼する、という形式がほとんどです。そのため、欧米のウェディングプランナーは会場に所属せず独立しているのが一般的。
日本でも現在、法人や企業に所属せず、自分たちのもつ経歴や資格など能力を活かして、おふたりらしい結婚式のプロデュースをアシストする『フリーランスのウェディングプランナー』が急増しているのです。
フリープランナーと法人・企業所属のウェディングプランナーとの違い
現在、急速に結婚式が多様化する中で、『結婚式のテーマと内容、会場、予算』など、結婚式のすべてを二人が納得する形で実現したいというカップルが日本でも急増しています。
法人や企業に所属するプランナーと、基本的な仕事や役割はほとんど変わりませんが、大きな違いとしては以下の点が挙げられます。
おふたりのテーマ・プラン・予算から会場を提案する
今までの結婚式でのウェディングプランナーの役割は「会場側や企業側が既に用意したプラン内で結婚式を計画する」ことが一般的でしたが、フリーのウェディングプランナーに依頼する大きな違いは「おふたりの希望する結婚式プランと予算から会場やアイテムを提案しプロデュースする」ということ。
ガーデンで挙式がしたい、レトロな洋館を貸切にしてパーティがやりたい、料理を楽しむパーティがしたい…など、おふたりの結婚式のテーマや希望をヒアリングした上で、お二人の予算も念頭に入れて、「おふたりが実現したいこと」を軸に最適な会場を選び、ウェディングアイテム選びの提案や、会場側との交渉や契約のサポートを行います。
ウエディングプランと予算に合ったアイテム・クリエイターの提案
新郎新婦の大きな悩みのひとに挙げられるのが、結婚式の費用。
通常、会場側が提示するプラン料金はある一定の金額が定められており、料理や装花、ギフトなどのアイテムも会場側が用意するものから選ぶ規定もあるため、最終的な費用は提示されたプランや初回の見積りよりあがってしまうケースがほとんどです。
ですが、フリーのプランナーに依頼する場合、最初から費用面を提示しておけば、その中でおふたりがやりたい内容を盛り込んで、予算にあったアイテムやクリエイターを提案してくれるのです。
プランナーの能力やおふたりとの相性を考慮した上で依頼できる
フリーのウェディングプランナーに依頼する最大のメリットは、おふたりが自由にプランナーを選べるという点。結婚式におけるプランナーの仕事と役割は非常に重要であるため、提案力や交渉力、自分たちとの相性などを確認してから慎重に依頼したい、という希望を叶えることができるのです。
通常は依頼前に、無料カウンセリングの時間が設けられていることが多く、そこで直接相談や提案を受けてから、依頼するかどうかを検討し、決めることができます。
また、フリーのウェディングプランナーは、実際に自分たちが手がけた実際の結婚式の内容などをブログやSNSで紹介していることが多いため、そこからどのようなプランナーかをじっくりと知ることもできるでしょう。
フリーのウェディングプランナーへ依頼をおすすめしたい結婚式のケース
フリーのウェディングプランナーに、結婚式のプロデュースを依頼する場合、特に相性がよい結婚式の形態やプランなどの例を幾つかご紹介します。
オリジナルウェディング・テーマウェディング
結婚式をもっと自由に行いたい、アイテムひとつひとつにこだわりたい、ふたりの結婚式のテーマを形にしたい…など。
既成のプロデュースサービスや会場が提示するプラン内では、こだわりや希望が自由に実現できない場合には、プランナーに相談し、希望を叶えられる会場探しから相談にのってもらうことができます。
予算が決まっているウェディング
限られた予算の中で結婚式への思いをできる限りすべて叶えたいという方に、予算内でサービスやアイテムの準備が揃えられるよう、プランを組んで調整してもらうことができます。
また予算内で、二人のこだわりや好みかマッチするヘアメイクや衣裳などを制作するクリエイターを紹介して貰うことなども可能です。予算を抑えつつ、おふたりのこだわりを追及することができます。特に会社の意向や利益を考える必要がないため、新郎新婦の意向をより汲んでくれたり費用が抑えられる傾向が顕著です。
通常の結婚式会場ではない場所で行うウェディング
通常は結婚式やパーティのサービスを行っていない場所で結婚式を挙げたいという場合、おふたりに代わって会場側と交渉し、パーティを行うための人材やアイテムを確保して、結婚式が行えるようプロデュースしてくれます。
ガーデン、美術館、レストランやカフェ、公営の建物、キャンプ場、…通常の結婚式会場の概念にとらわれない、自由でサプライズに溢れたウェディングも計画可能です。
場所やロケーションにこだわりたいウェディング
「花火大会当日に花火が見える会場を押さえたい」
「花見ができる会場で家族婚をしたい」
「思い出の観光地で結婚式がしたい」
など、場所やロケーションにこだわりたい場合、ふたりの希望が叶う会場をプランナーがリサーチし、提案してくれます。もちろん、予算に合わせたプランニングも同時に行います。
海外で行うウェディング
海外での結婚式を計画している場合、その土地に在住しているフリーのウェディングプランナーに依頼する方も現在急増中です。現地在住の強みを活かし、きめ細やかなプランニングとその国らしいアイデアをふんだんに盛り込んだオリジナルなウェディングを叶えることができます。また現地の言葉が不自由なことでのトラブルへの不安なども解消できます。
フリーのウェディングプランナーは多様化する結婚式ニーズに対応
結婚式は一生に一度のこと。誰もが計画する際は初めての出来事で、戸惑いも多いでしょう。その大切なイベントの準備を、豊富な経験を活かしてサポートするのがウェディングプランナーです。現在では、価値観の多様化に伴い、結婚式の形式もカップルが望むことも多様化しています。法人所属のプランナーでは対応しきれないさまざまなニーズにきめ細やかに対応する柔軟性が、フリーのウェディングプランナーの大きな強みといえるでしょう。