「結婚式ってこんなにも自由なんだ!」と私たちに教えてくれた、日本のオーダーメイドウェディングを牽引する話題のプロデュース会社で、5年間トッププロデューサーとして活躍したRIKUさん。
2022年9月24日から新ブランドを立ち上げ、独立するRIKUさんのもとには開業前にもかかわらず、噂を聞きつけた方たちから早くも依頼が殺到しています。
「RIKUと一緒に仕事がしたい」と想いを同じくするふたりのアートディレクターとともに、新たな道を歩み始めた彼女の目指すエッセンシャル・ウェディングとは?
結婚式はゲストのためではなく、あくまでふたりにとって最高に幸せな日であるためにある。そのために準備段階からの「心の“ケア”」はどのように実現されていくのでしょうか。
人気プロデューサーのRIKUさんがどのようなキャリアを経てブライダル業界へ、そして独立に至ったのか。RIKUさんの素顔を知りたい方はこちら
「ライフステージも時代も変わっていく中でプロデュースを“続ける”のは、一番の挑戦かもしれません。」フリーウェディングプランナー・RIKU
もくじ
ゴリラのように働く。でも作り上げる世界はとことん繊細!RIKUプロデュースの特徴
新しくスタートした『pensee de gorille (パンセデゴリレ)』のブランドコンセプトについて、いろいろ伺います。
フランス語でおしゃれな響きだな…と思って日本語に直訳したら「ゴリラの想い」になるんですね。衝撃でした。
RIKU
実はCRAZY時代、わたしのパワフルな働きぶりをみた周囲から「ゴリラプロデューサー」と呼ばれていたんです。
わたし自身はその呼び名に誇りを持っているので「この呼び名は残したい」と考えました。言葉から想像できるユニークさを大切にしたいとの思いもあります。
私たちが目指すのは「働き方はゴリラ。でも作り出す結婚式はものすごく繊細」…そのギャップをたのしんでほしいんです。
「ゴリラがとっても繊細な刺繍をしている」という絵を思い浮かべてもらえると、ブランドのイメージが伝わりますか?
【『pensee de gorille (パンセデゴリレ)』の由来は?】
お客様のために全身全霊をかけて奔走するわたしたち。
いつしかその力強さから、“ゴリラ”という愛称で呼ばれるようになりました。
一方で、わたしたちが大切にしたいのは、人が持つ感情の繊細さ。
かけがえのない日々の一瞬一瞬。
それらについて丁寧に考えたり、想いを馳せたりすることが、素敵な時間をつくりあげるために、必要なことだと思っています。
pensee de gorille“ゴリラの想い”は、そんな人間らしい機微を追い求めようとするわたしたちの決意を込めた合言葉です。
分かりやすいイメージで、伝わってきます。今までのRIKUさんの経歴や素の部分のおはなしから、「頼りがい」や「パワフルさ」をビシバシ感じていたので。
もう一方の、RIKUさんが伝えたい『pensee de gorille (パンセデゴリレ)』の繊細さとは?
RIKU
“感情の機微”です
日々の中で、自分や周りの人の感情に気づける繊細さや余白を大切にしています。
「嬉しかった」感情のもっと奥にある気持ちや、「悔しかった」から気づいた自分自身について、時には面倒臭い「感情」までも、あえて大切に、表現していきたいんです。
それが私たちらしさであってほしいと思ってます。
なるほど…確かに「感情」は、結婚式を表現する要素でとても重要で、必要不可欠な要素だと思います。その繊細な表現に欠かせないクリエーションの部分を担うアートディレクターが、『pensee de gorille』では、すでにふたりいます。
RIKU
アートディレクターの役割は「空間を素敵にする」だけではないと思ってます。
結婚式での過ごし方や、時間の使い方、そういった感情も一緒に設計していく重要な役割を担っているんです。
プロデューサーの私は「こうしたい!!!」って目指す方向を決める人。
アートディレクターは方向性を「空間」「ゲスト体験」「表現方法」「香り」「料理」などで、具体的に表現してくれます。
プロデューサーは方向性は指示できても、おふたりに目で見える形での説明はできません。
例えば、結婚式の演出用展示のロゴひとつでも、デザインによって与える印象が大きく違ってきます。おふたりや私が伝えたいイメージを丁寧に、繊細に表現するのが、アートディレクターなんです。
展示や演出が、見ているひとたちにとって、また会場全体にどういう空気をもたせ、どんな気持ちで伝わるかまで緻密に計算して創り上げます。
【アートディレクター・染谷さんはどんなひと?】
Instagram
https://www.instagram.com/airi728/?hl=ja
「そめちゃんはとにかくクオリティ高くスピード感を持って成し遂げてくれる人。
いろんなことを知っているので、流行りも素敵なビジュアルもそめちゃんに聞けばすぐわかります。(RIKUさん)」
染谷さんはRIKUさんのCRAZY WEDDING時代の後輩。もともとはファッションデザイナーから、空間デザインの道へ転身した職人肌。情報通で新しいツールや知識を用い、ひとつのディレクションを多角的にとことん深堀りしていくタイプ。
エネルギッシュでレスポンスが早く、仕事では常にRIKUさんも刺激を受けているそう。
RIKU
今回、CRAZY WEDDINGから一緒に独立したアートディレクターは、私がとても尊敬していて、安心して仕事を任せられるふたりです。
また、ふたりともタイプがまったく違っているのも心強いですね。
ひとつの結婚式をプロデュースする際には、ブレスト(ブレインストーミング:グループ内で意見を出し合いながら、新しいアイデアを生み出し統合する方法)の時間を3人で共有し、濃密に話し合い、さまざまな観点でアイデアを出し合うんです。
ひとりのプロデューサーですべてを決めるのではなく、3人の意見、観点でトータルをつくりあげていくのが『pensee de gorille』の大きな強みになっています。
【アートディレクター・山形さんはどんなひと?】
Instagram
https://www.instagram.com/uka_yamagata/?hl=ja
「UKAちゃんはCRAZYの時の同期。
ふと原点に戻してくれる人で、よい意味で全てと距離感をとって一番ベストな回答を教えてくれる人です。(RIKUさん)」
実は3人のうち、『pensee de gorille (パンセデゴリレ)』の代表は山形さん。
山形さんは「そもそもこのプロデュースはなんのために必要?」と根元の軸から丁寧に考え、ぶらさずにアドバイスをくれる貴重な存在。
言葉数はけっして多くはないものの、メンバーと常に一定の距離感を保ち、熱くなりがちなRIKUさんと染谷さんを冷静に軌道修正し、手綱を引いてくれるのだ。
結婚式でふたりが“しあわせだ”と感じるために。心をケアする『エッセンシャル・ウェディング』
先ほど、『pensee de gorille 』の方向性について「CRAZY WEDDINGの延長というより、私たちなりの“オーダーメイド”を定義していきたい」とおっしゃっていました。
どんな部分で違いがあるのでしょうか。
RIKU
お客様への思いやしごとへの気持ちの部分では、「大好き」で基本的には変わりません。
ただ、以前はお客様が「やりたい」と言ったらすべて受け入れて実現してきましたが、現在では自分の中でプロデュースに対するこだわりが出てきたんです。
熱狂的でド派手な一日」よりも「丁寧で味わい深い一日」、そして当日に至るまでの、結婚式が作り上げられる過程により注力するようになりました。
これは、年齢や経験を経て、自身の変化もあるかもしれません。
いわゆるオーダーメイド結婚式は、トレンドを取り入れたアートディレクションや華やかな演出、縁あるたくさんのひとをお呼びしたドラマティックな結婚式…というイメージがとても強いです。
RIKU
結婚式にはその時、その時代のトレンドや嗜好があります。ひとがつくっているものなので私自身の嗜好も大きく反映されます。
わたしも若い時は「ウエディングで挑戦しないといけない」「何か新しいことをしなければならない」との思いが強かったです。
お客様からも時代に先駆けた新しいプロデュースを求められていましたし、華やかな結婚式をしたいというニーズが高かったです。
ただコロナ禍を通して「みんなで集まれるだけで幸せなんだ」といったシンプルな事実と、大きな感動も同時に再認識させられたんです。
たくさんの人を招待しすぎて、おふたりとゲストの歓談時間が短くなるなら、何もしないで一人ひとりとしっかり話せる時間があった方がいいのでは…と思い始めました。
そもそも、ひとが何故集まるのか。大切なひとと会えるだけで幸せだから…。結婚式の「原点回帰」ともいえますね。
RIKU
だから、結婚式の感動を、すべてを、シンプルにおふたりの『人間力』に託したいんです。
結婚式前に、おふたりがゲストについて思い返す時間をつくり、またゲストがおふたりについての気持ちを確認する時間をしっかり作れば、結婚式は何もしなくても感動的なものに仕上がっていく。
つまりここで言う『人間力』とは、おふたりが周りの人たちに「愛されている」気持ちと、そして周囲の方たちを「愛している」気持ちの実感なんです。
【RIKUさんの提案する「エッセンシャル・WEDDING」とは?】
「今日から、結婚式」
これが、私たちが大切にしたいメッセージです。
結婚式の一日だけではなく
その日までの一日一日を一緒に丁寧に過ごしていきましょう。
綺麗に見せるためにエステに通ったりダイエットに行ったり。
でも、それと同じくらい大切なのは心を整えてその一日を迎えること。
それが、私たちが目指すエッセンシャル・ウェディング。
ゲストも大切。
でも私はおふたりにとって、やっぱり素敵な一日を届けたい。
日々を味わい、日々を大切にする。
そうすることできっと自分をぎゅっと抱きしめたくなる、
そんな愛情深い一日が待っていることでしょう。
~Lejuのプロフィールページより~
だから結婚式までにおふたりが心を整える『エッセンシャル・ウェディング』の考えに至りました。
最近チームでよく話すのは
「結婚式前にダイエット、ジム、エステ、衣裳、ネイルなどとてもお金をかけて綺麗になるのもとても大事。でも、ふたりの結婚式前の心のケアは誰もしてくれないよね」
っていう部分が、今までのウェディングスタイルではあまり注目もされていなかったんですよね。。
外面的な美も、もちろん大事です。でも、
「この人と結婚出来てよかった」
「この家族に生まれてきてよかった」
「この人たちと出会えてよかった」
といった豊かな事実と気持ちを、結婚式までにしっかり認識できて当日を迎えられたら…。それって、どれだけ幸せなことかと思うんです。
目には見えない部分です。お金をかけるわけでもありません。
ふたりの気持ちを事前にしっかり整えるケアがあるだけで、結婚式の密度、純度が変わってくると思いませんか?
【エッセンシャル・ウェディングによって具体的に結婚式準備をどう楽しんでいくのか?】
RIKUさんたちが提案する「結婚式準備の中で、ふたりのいままでの日々を振り返ってみる方法」は、カップルによってさまざま。
・たとえば親御様に昔のことを聞く映像を撮ってみたり
・二人自身が自分自身について語る映像を撮ってみたり
・その映像を結婚式前に見て結婚式当日に読む手紙を書いてみたり
・自分の過去をみんなにみてもらえるような展示にしたり
・そのために昔の写真を丁寧に抽出したり
・そんな中で家族との会話が生まれたり
RIKUさんプロデュースの結婚式準備では、「エステに行って、ダイエットに行って、衣裳を選んで」をするのと同じように、「心を整える」ことに気持ちも時間も使っていくのだ。
振り返りの時間をきちんと設けることで、パートナーや周囲に愛されていると、そして自分も愛していると実感できる時間をたくさん作っていけるんですね。
RIKU
はい。なので実は私たちの結婚式プロデュースでは、結婚式が感動のピークではないかもしれない場合もあります。
結婚式準備で、家族からのメッセージを見て感動で泣いてしまったりする場面は自分たちの結婚式準備では本当によくあるし、私たちも準備中におふたりの話を聞いて感動しもらい泣きしてしまうんです。
打ち上げが感動のピークの場合だってあります。つまり、結婚準備開始から結婚式後まで、すべてが「結婚式」なんです。
結婚式はふたりが幸せになるためのもの。だから徹底的にふたりを守り心をケアする。
じつは、『エッセンシャル・ウェディング』のコンセプトで、もうひとつ気になるフレーズがあるんです。
「ゲストも大事だがふたりにとって素敵な一日を届けたい」この真意とは?
RIKU
最近結婚式の相談で「私たちはどうでもいいんです。ゲストが楽しんでいてくれれば」といった考えのおふたりが、増えていると感じます。
実は、わたしはとても違和感を感じていて「この結婚式は、あなたたちのための結婚式です」と、声を大にして言っています。
実際「みんなのため」と言ったほうが結婚式をやる意味を見出しやすいし、お金も使いやすいでしょう。
気持ちはとても分かるんです。
しかしゲストのために結婚式を開いて、結婚式準備中にふたりの仲が気まずくなったり、当日はふたりは緊張感やおもてなしに追われたり、ゲストばかりが感動して泣いている…。
わたしは少し寂しく感じてしまうかもしれません。
ゲスト側も、ふたりの幸福感と感情が高まって感動している姿を見て、ふたりの本当に幸せな晴れ姿を感じたい…と集まっているはずです。
RIKU
だから、私たちが考える「エッセンシャルウエディング」は、ゲストに何かを伝えるための作り方ではありません。
ふたりの幸せな姿を見てゲストが何かを感じる結婚式です。もちろんゲストにとって素敵な時間を届けます。それは必要不可欠で当たり前のこと。
重要な場面はおふたりに頑張ってもらいたいし、ゲストを想うのはふたりにしかできないことなのです。。
そのために、私たちはおふたりの心のケアをはじめ、コンディションを最高に整えていくサポートを徹底しておこなうんです。
先輩カップルのウェディングレポートやSNSを見ていると、ゲストへのおもてなし方法について、悩みすぎてしまう新郎新婦は本当に多いですね。
RIKU
ゲストに感謝を伝えたい。ゲストに楽しんでもらいたい。
もちろん、ウェディングでおもてなしは大前提です。
でも、ゲスト以上に、もっともっと大事なのは“ふたり”なんです。
そこに胸を張ってほしいし、自信をもってほしいですね。
みんなは「ふたりをお祝いしたい」と思って集まってきているのですから、悩む方に「大丈夫大丈夫」とわたしたち全員で、力強く背中を押しますよ。
コロナ禍や、悩みが多い「いままでのウェディングスタイル」への懸念から、結婚式をどうするか迷っている新郎新婦が増えています。
ここにたどり着いて、この記事を読んでいる方も、きっといま悩んでいるはずです。RIKUさんが、いま、ふたりにつたえたい想いは?
RIKU
結婚式にこだわる必要はないかもしれません。
でも別々に生きてきたふたりの日々を、どこかで交わらせる時間は、結婚においてとても大切だと思います。
いままでの彼の生き方を知ってみる。彼女の家族一人ひとりを深く知る。
「お互いを知る」時間のひとつひとつが、結婚後の未来のふたりを作っていく。
私はふたりが交わるその機会に、一番よい形が結婚式だと思ってます。
結婚式の形は、なんでもいいんです。
2時間半じゃなくてもいいし、料理だって出さなくてもいい。
ただそれまでの数ヶ月間が、お互いを見つめ合うとても大切な時間なんです。
フリーウェディングプランナー【RIKU】profile
CRAZY WEDDING入社以前は、大手住宅メーカー営業職、大手酒造メーカー営業職とウエディング業界とは一切関わりのなかった異色の経歴を持つ。
住宅メーカ勤務時代は同期70人中常にトップクラスの好成績を収めるなど、営業として将来を嘱望されていた。
お客様一人ひとりと「もっと濃密にかかわりたい」との思いから、酒造メーカーの営業職のかたわらCRAZY WEDDINGにアルバイトとして飛び込んだ。
ウェディング経験は一切ないにもかかわらず、わずか半年で正社員として切替入社。
CRAZY WEDDINGでは5年間プロデューサーとして勤務。年間最多担当案件を誇るトッププロデューサーとして活躍し、お客様・クリエイターと近い距離感で結婚式までの日々を歩む。
CRAZY WEDDINGオーダーメイド事業縮小に伴い独立。同僚だったふたりのアートディレクターと共に結婚式までのプロセスを大切にするウェディングチームを立ち上げた。
丁寧で繊細な感情設計を得意とし、新たに「エッセンシャル・ウェディング」を掲げ、心が喜ぶ結婚式を提案する。
Instagram
https://www.instagram.com/riku_produce/
note
https://pdgorille.com/
RIKUさんについて詳しく知りたい方は
こちら
RIKU