ファッション、インテリア、イベントプロデュース、ブランディング…さまざまな仕事を経験し、ラグジュアリーブランドのパーティプロデュースも数多く手がけた、異色の経歴を持つフリーウェディングプランナー・青木萌実さん。生まれ育った山梨にUターンしたことで、豊かな自然や極上の食材などの地域資源や、地元の人の温かな“人間力”の魅力に改めて気づかされたそう。ウェディングプロデュース【NINON.(二ノン)】が提案する、首都圏から一番近いリゾート・山梨や八ヶ岳の贅沢な魅力を最大限に活かしたウェディングスタイルとは。
もくじ
なぜウェディングプランナーに?イベントプロデュースから異色の転身
フリーランスのウェディングプランナーの方とお話していると、まず結婚式会場やウェディングプロデュース会社に所属され、経験を積まれてから独立される方が圧倒的に多いんです。その中で青木さんの異色の経歴が印象的でした。もともとは、服飾系の大学でファッションを学んでいらっしゃったんですね。
青木
在学していた『国際ファッション文化学科』では、学生ながらニューヨークでのファッションショー企画やさまざまなイベント企画を体験させてもらったんです。
いつの間にかファッション以上に空間やパーティをつくることに興味が湧いて、インテリア専門学校にダブルスクールしたり、プライベートでイベント企画にたずさわるようになりました。
卒業後インテリアショップに勤務して空間デザインを学んでいましたが、もっとイベント寄りの仕事をしたいという意欲が高まり、ラグジュアリーイベントを手がける会社へ転職したんです。
ファッション、インテリア、イベントプロデュース…異彩を放つ経歴
新天地として選んだ会社が、華やかなラグジュアリーイベントやパーティの“裏方”として業界でも有名な林譲代表が率いる精鋭チームですね。
青木
カルティエ、エルメス、ティファニーなどの海外ラグジュアリーブランドや、有名コスメブランド、雑誌社のレセプションパーティやガラディナーを多く担当させていただきました。特に、両国国技館でのカルティエのシークレットガラディナーは、自分の担当チームが『WWD年間アワード』を受賞することができ、とても印象に残っています。
国技館がガラリ様変わりしオーケストラの生演奏がその場を包み込む、サプライズと笑顔に満ち溢れた空間でした。パーティでは裏方であるはずのスタッフが、ゲストの方たちから笑顔で感謝の握手を求めらたんです。
みんなで創り上げた空間を、みんなで歓びを分かち合う…イベントを通して人がつながることの感動を実感しました。
奈良出身の夫が山梨に魅了されUターン。戻って気づいた山梨のチカラ
充実した東京での仕事と生活の中で、山梨にUターンする決意は、どのような経緯があったのでしょうか。
青木
実は私が山梨にUターンしたのは、夫のお陰です。
夫とは東京で出会いました。奈良県出身の彼が、私の実家である山梨を大好きになり突然「山梨に住んで働きたい」と切り出された時はびっくりしました。
他県出身の夫が山梨のことを好きになってくれたことが、何より嬉しかったですね。いざ山梨に戻ってみると、東京には絶対にない、大きな魅力と未来があることに改めて気づかされたんです。
豊かな自然、恵まれた新鮮な食材、のびのびとした環境。東京に出ようと思えば、甲府から新宿まで、電車や車で1.5時間程度で可能とアクセスも良い。地域の絆が固く、人も大きく温かく見守ってくれる素敵な人が多いんです。
「山梨の豊かな地域資源を活かして、何か自分にできることはないだろうか」そう考えたことが、独立する大きなきっかけになりました。
人と人が繋がる自由なウェディングであることが自分にとって自然だった
インテリア、イベントプロデュース、広告、企業ブランディング…多彩な経歴がありながら、ウェディングプランナーの道を選択したのはどのような想いがあったのでしょうか。
青木
山梨で私に何ができるだろうと考えたとき、自分の原点に一度立ち返りました。わたしの本当に好きなことは『人が笑顔になる空間作りが好き』『人がつながれる場が好き』でした。
では山梨で、人が最もつながれるイベントは何か…たどり着いたのがウェディングでした。自分の経験を活かして、山梨でも人と人がつながる空間を作りたいと考えたんです
独立前にウェディングプランナーとして会場に所属する選択もありましたが、今までの経験から、プロデュースする際に『会場が決まっている』という概念が私にはありませんでした。
パーティの主旨とゲストの顔ぶれ、ブランドイメージやコンセプトを考慮したうえで、すべてにぴったりあう会場選びから入るのが自然な思考だったんです。
それで最初から『自由な会場選びが可能なウェディングプランナー』としてフリーランスの道を選びました。
パーティとは会場選びだけでなく、新郎新婦とゲスト、ウェディングのテーマに合わせたプロデュースチームをゼロからつくることも大切だと考えています。
ファッション、インテリア、空間デザイン、ブランディング、そしてパーティをつくるためのチームと幅広い人脈。すべてが山梨でのウェディングプロデュースに活かされているんです。
山梨の魅力を活かせば「笑顔が溢れる空間とウェディング」が創れる
現在青木さんが手がけるウェディングプロデュース【NINON.(二ノン)】は、山梨県や長野県までまたぐ八ヶ岳を中心とした地域での結婚式を手がけていると伺っています。山梨の魅力とロケーションを活用してどのようなウェディングが実現できるのでしょうか。
青木
山梨には魅力的な場所や食、人々、地域資源がたくさんあります。おふたりがここでやりたい、と決めた場所がその日限りの特別なウェディングパーティー会場になります。
【NINON.(二ノン)】では、海外ラグジュアリーブランドの世界から、山梨のローカルデザインまで、多様性なデザインに対応して唯一無二の世界観をつくり出していきます。
例えば…
・山梨ならではの自然豊かな場所でのウェディング
山梨県の豊かな自然とロケーションを活かしたウェディングをプロデュース。森の中のレストラン、キャンプ場、テントウェディング、古民家、ワイナリーや酒蔵、廃校など。一度も結婚式をやったことがない場所でもコネクションを最大限使って交渉を可能に。屋外でのウェディングの場合は、万が一の天候に備え同等の魅力ある代案会場もプロの目線で探すなど、最大限にケアに配慮します。
・STAYウェディング
東京からなど近隣県から、ご家族やご友人と結婚式当日だけでなく小旅行を兼ねた、気軽なリゾ婚のようなウェディングツアー。旅行手配ももちろん可能でゆったりと外国からも絶賛される山梨県の魅力あるロケーションを満喫できます。
・HOMEウェディング
実家や新築、移住先のご自宅など普段遣いの場所が、無理のない予算でプロの手による空間プロデュースによってハレの場に。近所の方やご家族、友人を招いて小規模で行うアットホームな結婚式を実現。授かり婚で結婚式を諦めたおふたりや、大切なひとだけで気兼ねない時間を過ごしたい方へ、新居のお披露目と共に披露パーティが可能です。
山梨の魅力が活きるラグジュアリー&ノスタルジックなウェディングプラン
青木
会場候補としてご紹介できるのは、山梨や八ヶ岳の豊かな自然や、ノスタルジックなロケーションを活かした空間です。
例えば山梨の森林公園で行う森の中のウェディング、ワイナリーや酒蔵でのウェディング、富士山が一望できる湖畔でのウェディングなどは山梨ならではの豊かな自然と環境を満喫できるでしょう。
また山梨県は、古民家や空き家が日本一多い地域ということをご存知でしょうか。その空き家を活用したリノベーション物件で、ノスタルジックさが満喫できるウェディングが可能なんです。
例えば築170年の古民家をリノベした落ち着いた空間でイタリアン『NODO』、韮崎駅前商店街の一角をリノベーションした『アメリカヤ』など、ロケーションを活かしたウェディングプランも模索しています。
【山梨県初!都市公園でのウェディングを実現】
都市公園である『山梨県笛吹川フルーツ公園』を会場に山梨県でも初めてのウェディングを計画。前職からのコネクションをフルに活かし、山梨県への申請も指定管理会社の協力を得て実現した。とことん食材にこだわり、東京からBBQマイスターを招聘して魅せ方も工夫したBBQは200人のゲストに大好評。あいにくの雨だったが、長谷川逸子設計の果物ドームを代案の会場にするなど、どんな状況でもゲストが楽しめるパーティを新郎新婦との綿密な打ち合わせで創り上げた。
ウェディングを通じて山梨の魅力と住む人の魅力を分かち合いたい
『STAYウェディング』というと、沖縄や軽井沢でのリゾートウェディングが思い浮かびます。
青木 近年、山梨は首都圏に住む人にとって、最も手近なで手軽なリゾート地という認識も高まっています。新幹線を使わずとも、新宿から1.5時間で電車や車で到着可能ですし、富士山を一望できる絶景や、温泉マニアからの評価も高い極上の温泉地もあります。東京から見たら、軽井沢より手軽なリゾート地なんです。
空間プロデュースのプロである青木さんが、自宅空間をどのように結婚式会場に変えるのか…『HOMEウェディング』も、とても魅力的に感じます。山梨は広々とした庭付き一戸建が多い地域。ウェディングだけでなく、ホームパーティや家族のお祝いごとでのプロデュースのお願いも、これから増えていきそうですね。
青木
山梨県は観光ニーズだけでなく、生活の場として都心からの移住者を積極的に受け入れている地域です。特にコロナ禍で二拠点生活をする方が急増しています。勝沼、北杜は移住者に人気地域で、都心から別荘やセカンドハウスとして物件購入者も増えているようですから、もっとホームパーティが浸透していくのではないでしょうか。
東京に住んでいる山梨の人や、東京から移住する人、そういう人たちにも、ウェディングを通じて、生まれ育った場所、これから生活する場所と人の魅力を再確認してほしいと思っています。
【模擬挙式や交流イベントもプロデュース】
古い物件をリノベーションしたノスタルジーあふれる会場をピックアップし、模擬挙式や相談会など、ウェディングを自由に楽しめることを伝えるイベントを開催。立ち飲みがてら、他のプレ花嫁、プレ花婿と交流を広げることができる。イベント告知は青木さんのInstagramをチェック
2020年4月開催予定:「シアワセのカタチ」イベントへ企画チームと参加
山梨の人の魅力・温かさ・絆をウェディングで実感してほしい
青木さんのお話に何度か出てくる山梨県に住む「人の魅力」とは、どのような部分で強く感じていらっしゃいますか?
青木 山梨はどの地域でも「みんなが知り合い」「みんなで助け合い」というコミュニティが根付いています。人と人とのつながりや温かさは、山梨県以外から来た人にとっても心強く感じるでしょう。実は私が、山梨の人の魅力を一番実感できた場面は、自分の結婚式からだったんです。
結婚式は山梨の人の温かさを知ることができる大切なイベント
青木
山梨には「組」という考え方があって、組である近所の人たちも結婚式にみな招待する風習が今でもあります。
私はいったん自由な海外挙式を選んだものの、両親に「近所の人にもお披露目はしたほうがいい」と強く言われ、帰国後に地元でも披露宴を行い、組の方を招待しました。
結婚式を通じて、私や夫について近所の人が深く知るきっかけになり、いまとても可愛がってくれるんです。結婚式がなければ、Uターンしたときに近所の人とすぐに打ち解けることはできなかったでしょう。
今では本当に地元での披露宴を、やってよかったと感じています。
地方に未だ根付いている昔からの結婚式のしきたりは、面倒くさいと感じることにも実はきちんと意味があることも多いのです。だから今、地域に根付いた結婚式の良さと、現代的な結婚式の自由さの間を、うまく取り持っていきたいと考えています。
新しい形もいいのですが、昔からの大切な部分も、その背景を考えて残していきたいんです。
【結婚式のその後も続く人生の節目のお祝いや記録もプロデュース】
結婚式は始まりの場。1年前に結婚式をプロデュースしたおふたりにお子さまが生まれ、挙式をした場所での記念撮影もプロデュース。記念の場所が、新たな人との繋がりを感じられる場所として、記憶と記録を更新するお手伝いもする。
どんな事情があっても「あなたの結婚式」をあきらめないでほしい
フリーとして独立されて、ウェディングプランナーのお仕事を通じて、山梨の人と、結婚式と、どのようなスタンスで向き合っていらっしゃるのでしょうか。
青木
フリーランスのウェディングプランナーとして活動を始め、2年が経過しました。その間に、さまざまな事情から結婚式を諦めたほうがいいのだろうか…という新郎新婦の相談も多く受けてきました。
コロナ禍、授かり婚、1日だけの為に予算を掛けたくない、披露宴の印象を余り良く思われていない方…。
もちろんナシ婚の選択にも、フォトウェディングだけの選択にも、結婚式をする選択と違う大きなメリットがあります。
コロナ禍のいま、結婚式をどんな形おこなったらいいか、いっそ中止した方がいいか…と迷われている方も多いでしょう。
青木
そんな人たちに、どんな形でも結婚式を諦めないで、もっと自由に考えても大丈夫ということを伝えていきたいんです。
結婚式を行うことで得られる「二人の人生の節目のケジメ」「ご両親やお世話になった方への感謝」「その日に出会う人との繋がり」は、その時は必要ないと思うかもしれません。
ても、自分がさまざまなパーティをプロデュースしてきた経験からも、人生でこの場でしか得られない、大切なことがあると強く思っているんです。
私には「結婚式は人とひとがつながる場所であってほしい」という考え方が根底にあります。
だから、新郎新婦に迷いがあるのであれば、費用、人間関係、会場選び、結婚式のあり方への疑問…さまざまな問題を解決するために、とこんと寄り添っていこう、と思っています。
フリーウェディングプランナー【青木萌実】profile
山梨県出身。
服飾大学に在学中からファッションショーの企画などを経験し、イベントや空間を演出する事に魅了され、都内ラグジュアリーブランドのイベントをプロデュースする「株式会社エグゼクインターナショナル」へ就職。イベントプロデューサーとして、カルティエ、エルメス、ティファニー、SK-2、POLA、Lancome、イヴ・サンローランなど、数多くの国内外ラグジュアリーブランドのパーティーを担当。自身が担当したカルティエ主催のシークレットガラディナーは『WWD年間アワード』をチームで受賞した。
山梨にUターン後はフリーウエディングプランナーとして独立。
山梨初の都市公園での200人でのウエディングをプロデュースするなど、異色の経験によるコネクションを活かし、会場の枠にとらわれない、自由で人との繋がりを感じられるウェディングプロデュースが特徴。現在はおふたりの縁ある場所で“自分たちらしいウエディング”を一緒に考え、家族とゲストも一緒に笑顔になる肩肘張らないウエディングのカタチを目指し活動中。
新郎新婦の「自由なウェディングプロデュースってどんなもの?」という疑問を解消するために、ウェディングの楽しい世界を気軽に知ってもらう交流会『気軽な立飲みウェディング相談会』も甲府市内で開催している。
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