「どんなに変化しても“結婚式は人生で最高に幸せな時間”という形を守り続けたい」フリーウェディングプランナー・小関陽子

更新日:2021.10.01

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大好きな結婚式会場で、責任ある役割を任されながらも「もっといろいろな角度から、結婚式と新郎新婦にとことん向き合いたい」という当初から抱き続けていた夢を叶えた小関陽子さん。2018年にフリーのウェディングプランナーとして独立を果たし、愛知を中心に活動する【YOUR WEDDING&DESIGN(ユアーウェディング&デザイン)】で新郎新婦に寄り添います。
ウェディングのプロとして、幅広い知識と経験を基盤に、新郎新婦自身も気づかない“おたりらしさ”を探し出し、おふたりにぴったりな最高に幸せな時間をプロデュースします。

結婚式に関わることはすべて経験。【YOUR WEDDING&DESIGN】をスタート

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小関さんは、ウェディングプランナーとしての道をスタートさせた時から、フリーとして独立を視野に入れていたとうかがいました。

小関 はい。5年を目途に現場経験を積んで、30歳になる前にはフリーのウェディングプランナーとして独立して仕事がしたい、という目標がありました。
数ある職種の中からウェディングプランナーに惹かれた大きな理由は、自分が人生の中でずっと『誰かと協力して、みんなで何かをするのが好き』だったから。
他の職業にも興味がありましたが、就職活動の時にフリープランナーの方に聞いたお話に感銘を受け、いずれは独立を視野に、このお仕事を選びました。

独立が目標。サウンドコーディネートや司会までこなした5年間の現場経験

5年間の間に3つのタイプの違う会場を経験し、まだ20代という若さで会場全体の責任者的な立場としての役割も担われています。

小関 独立するためには、プランナーとしていろいろな経験を積みたいと思っていたので、何でも意欲的に取り組みましたね。
営業、式場の運営、発注、広告媒体、パートナーとの関わり方、人員手配、売り上げ管理、空間コーディネートやサウンドコーディネート…結婚式がどうやって成り立つのか、隅から隅まで関わらせていただきました。早い段階で責任者としての立場も任された当時にとても苦しんだぶん、今につながる経験になりました。

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小関 中でも一番印象に残っているのは、ウェディングプランナーでありながら、司会も兼任で担当していた時期のことです。司会は会場の空気を大きく左右する大任なので、とてつもない緊張感で毎回取り組んでいました。

でも、プランナーが司会を兼任する大きなメリットもあるんですよ。
おふたりの背景も進行状況も熟知しているので「おふたりのこの想いを、このタイミングでゲストに伝えたい!」ということがよく分かっているのです。音響と連携し、BGMとナレーションで会場の皆様を思い切り盛り上げることができました。
フリーとして独立した今となっては、さまざまな経験がウェディングのプロデュースへの自信として活きていること、を日々実感しています。

小関さんが独立して2年が経過しようとしています。プロデュースを担当されたどの結婚式も思い出深いと思いますが、特に印象に残っているウェディングのお話をお聞かせください。

小関 関わった結婚式はどれも思い出がたくさんありますが、特に印象に残っているのが和モダンのテイストを取り入れたホテルウェディングです。
自由な発想で会場選びができるのがフリープランナーに依頼するメリットなのに、なぜ定番のホテルで?と思われるかもしれません。

徹底したヒアリングとプロの目線でふたりにあったウェディングを提案

確かにちょっと意外ですよね。ホテルウェディングであれば、最初から会場専属のプランナーに依頼したほうがいいのでは?と思ってしまいます。

小関 おふたりとも、最初は会場をホテルにしようとはまったく思っていなかったんです。
性格も好きなことも育った環境も、一見すると対局する価値観を持った新郎様と新婦様ですが、お互いの良さを尊重し認め合う仲の良さがとても印象的でした。
おふたりとたくさんのヒアリングを重ねていき、ウェディングテーマを『融合』にすることになりました。

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小関 また、おふたりをつなぐ大切なキーワードに『ライブ』があり、大好きなミュージシャンのドームツアーのような「照明、音響、エンターテイメントを結婚式で表現したい」と最初から希望でおうかがいしていたんです。
ドームの臨場感、オープニングムービーが始まる時の高揚感、ムービングライトと音と演出が合わさることによる迫力…これらすべて表現できる高度な設備がある会場は限られます。

そして、しっかりとした家柄の新郎家にも、安心してもらえるような披露宴ができる会場。
おふたりの想いと、両家の想いが融合できる場所として、家族の絆を繋ぐ厳かな神前式と、ホテルウェディングをご提案しました。

お話を聞いていて、とても腑に落ちました。ホテルであれば、ライブのような高度な演出ができる音響や照明設備も整っていますし、会場のフォーマルさやホスピタリティで幅広い価値観のゲストの方々に安心して受け入れていただけます。まさに『融合』ですね。

小関 『融合』のテーマを表現するために、洋の会場に和を取り入れた和モダンのデコレーションや和洋折衷のコース料理を取り入れました。
アイテムは、席札をライブでは必須の団扇にしたり、フィナーレには圧巻の銀テープ吹雪を再現したり…。とことんおふたりの大好きな世界を表現するために、BGM、照明にも細部までこだわりました。独立前に、音響も照明もたずさわっていた知識が大いに役に立ちました(笑)

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小関 今回ご提案した会場は、トレンドの会場でもいま人気のナチュラルな会場でもありません。おふたりに本当にあった会場はどこだろう?と考えたとき、さまざまなヒアリングから、プロとして客観的な視点も交え、ご提案させていただいたことです。
おふたりだけでなくゲストの方にもとても喜んでいただき、嬉しいお言葉までいただけたことは本当に感動しました。

『ふたりらしさ』というのは本人たちの目線からでは分からないことがある

結婚式準備のお話を聞いていると、“ふたりらしさ”を突き詰めていくのは、とても難しいような気がします。

小関 私自身が結婚式をお手伝いさせていただいている中で、強く思っているのは『おふたりだからこそできるウェディングをしてほしい』」ということです。
私たちがお仕事でおふたりを理解することは大切なことです。それ以上に結婚式をつくって行くなかで、おふたりにより仲を深めてもらうことも大切な仕事だと考えています。

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【テーマからスタイリッシュに表現する小関さんのプロデュース】
プロデュースする際「おふたりらしさとは?」を大切にしている小関さん。
丁寧なヒアリングから、会場、アイテム、衣装、演出、装飾などすべてに意味をもたせ、新郎新婦の想いがゲストに明確に伝わるよう表現していく。
育った環境も価値観も違う新郎新婦を色味の違う青で表現した、優しくスタイリッシュなウェディングの様子は、このページ下にある小関さんの事例「おなじあおでも」をクリック。

小関 結婚式では、おふたりの人生を理解し、おふたりの想いやゲストへの想いをどうやって表現するか演出のキーポイントになります。ですが、自分のことは自分ではなかなか見えず、他人からの目線で「こう見えているんだ」と気づくことがあるんです。

『自分らしい』とは、社会からの評価や他人からの目線で「そう見られているのか」と気づくことが確かに多い気がします。

小関 ウェディングプランナーは日々、プロとしてウェディングの情報にアンテナを張り、貪欲に情報を収集しています。また、さまざまな新郎新婦様とも接してきて、さまざな『おふたりらしさ』も見ています。
自分たちが考える『ふたりらしさ』と第三者から客観的にみたときの『おふたりらしさ』をすり合わせることはとても大切ですし、これからの生き方の基盤にもなるはずです。
そして見つけた『ふたりらしさ』をテーマに、結婚式ではゲストの方にも心地よく伝わるよう、プロとしてさまざまな情報や知識から提案して、寄り添いながら結婚式を作っていきます。

コロナ禍で考えた。いまだから可能な『最高に幸せな時間の表現のかたち』

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ホテルウェディングといえば、和歌山の南紀白浜温泉にある著名なラグジュアリー施設「ホテル川久」さんでもウェディングをプロデュースするなど、愛知にとどまらず幅広い地域で精力的に活動されていらっしゃいます。フリープランナーとして、これから手がけていきたいと考えるウェディングの新たな形などはありますか?

小関 いまコロナ禍で、結婚式に対する価値観や様式が大きく変わろうとしています。
私が活動している愛知や和歌山、岐阜などの地域は、結婚式に対して保守的な価値観が若い方にもまだまだ浸透している地域だと思います。
ですが、これからは世情とともに、ウェディングへの意識も多様化するだろうと考えています。

フォトウェディングへの違和感から『今できる最高のウェディングのかたち』を提案

これからは少人数での結婚式や野外での結婚式が増加したり、フォトウェディングのみを検討される方も増えてくる傾向とみている方も多いですね。

小関 結婚式をしたかったけど、コロナ禍でできなかった。
そういう方に、今だから心に残るウェディングを創りたいと考え、先日ご提案したウェディングが、とても喜んでいただけました。
それは壮大な自然をロケーションに、おふたりきりでありながらも本格的な挙式をおこなうというものです。

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【小関さんが提案するElopement Wedding】
Elopementは日本語に直訳すると「駆け落ち」。
自分の選んだロケーションのなか、誰も招待せずにたったふたりだけで結婚を誓うセレモニーを行い、その様子をフォトや動画に残すウェディング。
沢山のゲストに配慮しながら完璧な結婚式を遂行するために頭を抱えてしまうこともなく「自分たちが本当にやりたかったこと」を誰の目を気にすることなく自由に表現できる。

リゾートでのロケーションフォトウェディングや前撮りとは違うのでしょうか?

小関 はい。ロケーションはリゾートではなく、滝や山頂など、基本的にそこまで人の手が入っていない大自然。観光地とも少し違う、ひと目がなくおふたりきりになれる厳かな場所です。
そしてその日だけ、おふたりだけのためにアーチや祭壇を手作りし、聖職者を招聘し立ち会いのもと、正式な式次第に沿って、本格的な挙式を行いました。
なのでフォトウェディングではなく、実は挙式を主体としたウェディングプランです。

豊かな自然に囲まれ美しくも幸せな当日の様子はこちらをご覧ください。

小関 結婚式の代わりにフォトウェディングを選ぶことは良いのです。
ですが、カップルにはさまざまな背景があるにも関わらず、同じようなスタジオで、定番の小物やポーズを限られた撮影時間内で撮影し、誰もが同じような表情と構図になってしまうことに、ずっと違和感をずっと抱えてきました。
結婚式の代わりとして選択するのであれば、なおさらです。

挙式を執り行うことで、おふたりの絆を深く固めること。撮影だけであってもおふたりのことをよく知り、おふたりらしいそのままの姿を記録に残せること。
これは、フォトグラファーとおふたりの間に、プロのプランナーが間に入ることで実現できると考えました。
最高に幸せな時間として記憶に刻んでいただくために、おふたりと春夏秋冬にあわせた自然のロケーション選びから、おふたりにあったフォトグラファー選び、挙式もしっかり組み込みます。その様子を記憶と、記録として残していく。
結婚式のひとつのかたちとして、今後もご提案できたらと考えています。

結婚式のかたちは変わっても結婚式が幸せな時間であるために

いま、世の中の状況があまりにも変わってしまい、結婚式に対する考え方や価値観も大きく揺らいでいます。多様性とはいうものの、SNSを見ているとウェディングスタイルも『結婚式は必要』『必要ない』という意見もありすぎて、戸惑っている方も多く見受けられます。

小関 そもそも「結婚式って何だろう?」と私もよく考えます。でも、この問いに一言では言い表せないほど、魅力にあふれたものだと思っています。プランナーとして何回結婚式にたずさわり、立ち会っても、何回でも感動でき心が震えるからです。
いま結婚式とは、人生で一番幸せな時間であることは間違いないでしょう。

しかし、結婚式のかたちは多様化しているので、現在あるかたちがすべてではありません。
もちろん、例えどんなかたちに変わってしまっても、おふたりにとってぴったりのかたちであれば、それでいいとさえ思います。
でもどんなに世界が、常識が変わって、どんな結婚式のかたちとなっても「この瞬間が幸せだ」と思う時間であることは、変わらないでほいんです。

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小関 結婚式は新婦様が主役であると言いますが、まったく結婚式に乗り気でなかった新郎様が、当日謝辞で新婦様以上に号泣される姿をたくさん見てきました。
おふたりのために大切なひとが集まってくれる。人生の門出にいろいろな人からお祝いの言葉をいただき、自分もそれまでの感謝を伝えることができる。
そんな時間が、幸せでないはずがありません。

だから、私が考えるプランナーとしての役割は『結婚式が人生のなかで最高に幸せな時間』であることを、守り続けていくこと。
そう思いながら日々、おふたりに向き合っています。

フリーウェディングプランナー【小関陽子】profile

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愛知県出身。ウェディングプランナー歴は8年目。

東京にある4年制大学を卒業後、ウェディングプランナーとして、最初から独立を目標に専門式場やゲストハウスなど3つの会場でキャリアを積む。結婚式の作り方以外にも、会場の責任者的な立場から営業、式場の運営、発注、広告媒体、パートナーとの関わり方、人員手配、売り上げ管理等、様々なことを経験。司会、空間コーディネートやサウンドコーディネートの分野に至るまで、結婚式を成立させるためのあらゆる専門分野の仕事にもたずさわるなど、幅広いキャリアと知識を身につけた。

当初の目標通り、プランナー6年目となる2018年にフリーランスとして独立。
以降愛知県を中心に、和歌山県、岐阜県など幅広い地域で結婚式をプロデュースする。「ふたりらしさとは何か」を新郎新婦から丁寧にヒアリング。新郎新婦自身も気づかなかった「ふたりらしさ」を客観的なプランナーの視点からも見極めたうえで、アイテム、装飾、演出などにもひとつひとつ「ふたりがやる意味」をもたせ、統一感のあるウェディングの世界をつくりあげる。

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