「“情景が一生心に残る結婚式”は、未来のふたりの絆をより強くする記憶と記録になる」 フリーウェディングプランナー・東 佐江子

更新日:2022.05.11

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Lejuの多彩なプランナー陣の中でも群を抜いて厚い17年の経験を持ち、熟練プランナーとして活躍の場を広げている東 佐江子さん。6年前に独立し【WEDDING LAPPLE(ウエディングラップル)】を立ちあげ、現在は夫でありウェディングプロデューサーの浩二さんと二人三脚で、愛知を中心に東海地域に根付いた結婚式づくりに取り組んでいます。「結婚式は誰のためでもなく、ふたりにとって大事なセレモニー。だからこそふたりの未来を誓いあう『挙式』を大切にしたいんです」…結婚式を知り尽くし、考えつくした先にたどり着いた東さんが提案する心誓式(自分のこころに結婚を誓うセレモニー)とは?

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「結婚式は何のため?誰のため?」本質を考え抜いて見えてきた意味

2021年は、結婚式を考えている新郎新婦にとって、そしてブライダル業界にたずさわる方にとって、とても厳しい時期でした。
東さんは2022年度よりLejuに参加されました。コロナ禍を通じてブライダル業界や結婚式について、取り組み方や考え方が変わった部分はありますか?

コロナ禍を通じて、「結婚式を“挙げるか・挙げないか”はふたりの自由だ」と考える方も増えていると感じています。
ですが、私は逆にコロナ禍のおかげで「入籍する全てのおふたりにとって、どんな形でもウエディングの時間は大切だ」と自信をもって言いきれるほどに、結婚式の本質について考え尽くす時間になりました。
考え尽くし至った結論は、「結婚式は誰のためか?」との問いに対して「誰のためでもない。ふたりの歩いていく未来が、幸せな時間であるためだ」という、シンプルな本質だったんです。

コロナ禍のお陰で結婚式のもつ『夫婦の絆を深める』時間がより明確に見えてきた

ふたりで歩く人生の出発点として『お祝いの場』は、とても大事だと私は考えています。
だって、今までの人生で関わった大切なひとたちが一同に集まって、人生の節目に祝福を受け、背中を推してもらえる…そんな機会は人生で2度とありません。
今まで【WEDDING LAPPLE(ウエディングラップル)】が立ち会ったどの結婚式を見ていても、挙式退場の際におふたりが招待客の方々から受ける祝福と感動を浴びている瞬間は、凄まじい熱量を感じる情景なんです。
実際に結婚式をご一緒した多くのおふたりから、何度も「生きていてよかった」「今までの人生で一番感動して幸せな時間だった」との言葉をいただきました。

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【WEDDING LAPPLE】のウェディングプロデュースへのこだわり①

「美しい花嫁」
初めてのお披露目の瞬間、ドアが開き、新婦がチャペルから出てくるシーンが一番美しい。
…と多くの人に感じてもらうために、結婚の決意を固めたふたりのビジュアルがゲストにまで伝わるよう、心の準備も行う。
ヘアメイクは仕度だけでなく、自信を持たせ心のケアも行えるよう必ず近くに同行してもらう。
結婚式のはじまりの姿が最も美しくなるよう、司会者のコメント、タイミング、音楽のタイミングまで、「心が動くシーン」にこだわる。
歓談の時間も含め、一分一秒、花嫁のすべての時間を大切にしたいと考えているので、時間を最高にしてくれる、大事にバトンを繋いでくれるひとをパートナー、アシスタントとして人選する。

だから、どんな形でもいいんです。
ただ婚姻届を出して終わるのではなく、何らかの結婚の思い出になる時間をつくった事実と思い出が、ふたりが共に歩む人生の中で何かあった時や、ふと振り返ったときに、ふたりの絆を強くする原点になるんです。
コロナ禍のような『どんな状況』になっても、「“状況”や“ふたりとゲスト”にしっかりと合わせてお祝いできる環境づくり」がウェディングプランナーの役目だ…との想いが強くなっています。
だから本質をブラさず、フリープランナーとして固定概念に囚われないウエディングの選択肢を提案し続けたい、と決意を新たにしました。

今まで「当たり前の結婚式」だと思っていた最適解のウェディングスタイルは、コロナ禍で実現が難しくなってしまいました。
結婚式を挙げたいと思っていたひとほど、戸惑いや諦めの気持ちが大きいと感じています。

一般的なひとたちが捉えている結婚式のイメージはごく一部にすぎません。ウェディングスタイルや結婚式のかたちは、多種多様なスタイルがあります。
実はコロナ禍以前は、私たち【WEDDING LAPPLE(ウエディングラップル)】に相談に来られる方は「目立つ結婚式はしたくない。いかにもな、一般的なウェディングスタイルは嫌なんです」と考えている方が多かったんですね。
ところが、コロナ禍に入って「家族だけで結婚式をあげたいのに普通の結婚式場のプランでは難しい」といった問い合わせが急増しました。

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【WEDDING LAPPLE】のウェディングプロデュースへのこだわり②

「何年先に見ても幸せが甦る写真や映像」
おしゃれなウェディングムービーは溢れているが「未来のために残したい」考えから、10年後に見返してもすぐに思い出せるリアルな音声を重視している。
会話や誓いの言葉といった言葉を全部記録するのではなく、「この音を聞いたら思い出せる」臨場感が分かる言葉や情景が蘇る音を入れた、臨場感重視で撮影編集を行うために、シネマトグラファーは厳選して紹介している。
フォトグラファーは同様に、結婚式の本質を理解しているかどうかを重視して、未来に残す記録のために、チーム内で協力しあえる、連携がとれる人を見極めて提案する。

『ふたりが絆を深め幸せを確認するため』の時間を作るために何ができるか

いまの状況でいままでの結婚式のかたちを当てはめようとしたら、「いまの状況ではやっぱり無理だ」「いまの結婚式のかたちは自分たちに必要ない」「結婚式を挙げる意味なんてあるの?」…と感じてしまうでしょう。
私たちに相談に来るおふたりの悩みは、深刻なケースもあります。だからまずは話し合い、さまざまな結婚式の形をみてもらっています。

だからおふたりだけで答えを出す前に、さまざまな結婚式を見てきた私たちウエディングプランナーにまずは相談してほしい。
結婚式に対してマイナスの印象をもたれている方もいらっしゃいました。しかし、一方で私たちと話をする事で考え方が変わったおふたりをたくさん見てきました。
「まずは相談」のほんの小さなきっかけで、ふたりの感じ方が大きく変わってくる手ごたえを感じています。

「いま、結婚式をやっていいのかな」との悩みや不安を、どこに相談したらいいか、分からず悩んでいる方をSNSで多く見かけます。
また、招待を大切なひとたちのみゲストを絞り込んでいるからこそ、結婚式場の提示する『今までの結婚式』を縮小した家族婚プランでは妥協感が強く、満足できない方も多いでしょう。

だからこそ、会場からウェディングスタイルまで自由に、すべてをおふたりとゲストに合わせてプロデュース可能な、私たち『フリープランナー』の役割が、より重要になってきています。
スタイルは自由ではありながらも、結婚式の本質からは、ブレてはいけない。
私たち【WEDDING LAPPLE】のブレないスタンスとは、結婚式が結婚後の未来のふたりにとって“ふたりの絆を強くする記憶と記録”の時間になるウェディングのプロデュースなんです。

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【WEDDING LAPPLE】のウェディングプロデュースへのこだわり③

「音楽」
音楽は情景を後押しする手段であり、“場づくり”の要素。どんなシーンを作りたいか…そんなシーンにあう音楽を厳選。
もともと司会や音響手配を専門に請け負う会社から生まれた結婚式場でプランナーとして働いていたため、音響と言葉を重視する環境で、インタビューが流れる際は必ずBGMをインストゥルメンタル曲に変えるなど教わってきた。
どこより「音」と「言葉」を大事にする環境での経験から、生演奏を取り入れるなどコロナ禍でも場が華やかになる、結婚式のハッピー度を音楽でより盛り上げる演出を積極的に取り入れている。

「ふたりの幸せな未来から逆算する」東さんの緻密なウェディングプロデュース

【WEDDING LAPPLE】では、挙式を心誓式(自分のこころに結婚を誓うセレモニー)と表現しています。東さんのたどり着いた「結婚式の本質」とつながっているのでしょうか。

はい。結婚式には挙式・パーティ・フォト撮影、二次会…と、さまざまなシーンがあります。なかでも【WEDDING LAPPLE】では、特に挙式の時間を重視しています。
ふたりの結婚に対する気持ちを、未来の自分たちのために誓いを立てるんです。未来のふたりが誓いを思い返した時に「あの時の言葉はふたりの歩んできた道に活きている」よう、本当にふたりのためだけの時間『心誓式』として、オリジナルセレモニーをプロデュースしています。
ゲストを意識して誓ったり、見守ってもらう事だけが、ウエディングの本質ではありません。

心誓式(自分のこころに結婚を誓うセレモニー)とは?

コロナ禍の打ち合わせのなかで、あるお客様から「ゲストが来ないから挙式する意味がない」といった言葉が飛び出してきました。
しかし、さまざまなウェディングを経験してきた私たちは、挙式とは「誰かのためにするものではなく、自分たちのためにおこなうもの。ふたりの幸せの先に誰かがいる」のだと実感しています。
よく「親に晴れ姿を見せたい」との言葉を聞きます。そもそも晴れ姿とは、ふたりの最高に幸せな姿であり、本来は何をおいても『まずは自分たちの幸せ』なんです。
そういった価値観を、どうやったら伝えられるのか…と考えた結果が『心誓式』でした。

確かに…!! 最近では『結婚式は親や家族はじめ今までお世話になったひとに感謝を伝える場』としての認識が強くなって前提の『ふたりの幸せ』は忘れられがちです。
招待された方たちは“本当に大切なひとたちだけ”だからこそ、“本当に幸せなふたりの姿”を見たいはずです。

もっと『挙式は、結婚式は自分たちのため』と考えていい、と私は思っています。
結婚式とは、自分たちの絆をより強くして、未来を幸せに歩んでいくための選択肢のひとつなんです。挙式での結婚の誓いとは、神でもなく、立会人でもなく、自分の心に誓うのです。
そして、誓いを見守ってもらい今までの感謝の気持ちが伝わったり、ケジメがつくから大切な方を招待する。さらに誓いを見守ってもらうのがふたりにとっての応援や力になる。

つまり『ゲストを呼ぶ・呼ばない』の選択も、ふたりの幸せの先の起点で考える必要があります。
まずは「結婚後の人生をどう生きるか」を、お互いに誓うための場と言葉が、最低限は必要です。
だから結婚式には、披露宴より挙式があったほうがいい。
結婚式とは「ふたりがどういう人生を歩みたいか」を逆算して考えたうえで作りあげるセレモニーなんです。

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『ふたりとゲストの心に残る時間』から逆算してウェディングをつくり込む

私事ですが、きちんとした挙式をやらなかったんです。ゲストに退屈せず楽しんでもらいたいと、パーティの中で簡単な宴内人前式(※挙式会場ではなくパーティ会場でおこなう簡易的な人前挙式)で済ませてしまいました。
結婚式に後悔はないのですが、「家族とだけでも、きちんと挙式して誓いを立てれば良かった」と唯一心残りで…いまのお話を聞いて、とても腑に落ちました。

(笑)私たち夫婦も、自分の結婚式の時は、披露宴ばかり重視していました。
ふたりとも人前式の誓いの言葉の決定を後回しにしていて、実は当日まで決まってなかったんです…いま考えると、本当に浅はかでした。
ところが当日、挙式で一斉にゲストが私たちを祝福してくれた瞬間が、生涯忘れられない光景になったんです。挙式の重要さに気づかされました。
いま夫は、挙式に特化したセレモニーディレクターとして【WEDDING LAPPLE】を支えていくています。

【WEDDING LAPPLE】をはじめ、フリープランナーの元へ相談に来る方は、私のように自由度の高いオリジナルウェディングを挙げたい方も多いのでは?「挙式は固いし形式ばっているから、やらなくてもいい」といった考えの方もいらっしゃるのではないですか?

そうですね。
なので、まずはふたりの『結婚するふたりにはどんな時間が必要なのか?』『ふたりの未来に繋がる時間』について、考えていくなかで挙式の大切さについてもひとつひとつ確認していきます。
私たち【WEDDING LAPPLE】が目指しているのは、「情景が一生こころに残る結婚式」です。
先ほども話したように、結婚式の日にみた景色を人生最良の情景(景色ではない)にしたいと考えているため、ふたりの幸せな未来から逆算して結婚式の1日があるようにしています。

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2022年度のコロナ禍のさなか、温泉宿を貸切って行われた家族婚。
両家親族のなかには当初、時期的な問題もあり結婚式について後ろ向きに考える方がいなかった訳ではなかった。
が、【WEDDING LAPPLE】スタッフとクリエーションを担当するパートナー達が、挙式の時間に向けしっかりと場づくりをおこない、招待客ひとりひとりと言葉を交わす時間を大切にして“お祝いの感情”を育てていき、挙式のフィナーレには全員での感動の祝福&涙の抱擁となった。

例えば挙式で何を誓うか?にしても、最良の景色から逆算するプロセスがなければ、表面上では感動できる言葉を綴りがちなんです。
「誓いの言葉は1年後、10年後のふたりにとって、本当に大事な言葉なのか?」を私たちも経験をもとに、エスコートして考えていきます。
ふたりが「どんな未来を誓うか」のプロセス期間が、挙式準備になるんです。
そして私たちはプロの立場として、誓いのシーンがふたりに、そして見守るゲストに響くように伝えるための空間作り、仕掛けづくりをプロデュースします。

逆算してつくり込むウェディング…そんなプロデュース方法は初めて聞きました!確かに「未来にどんなふたりになっていたいか」を想像して誓えれば、ふたりの出発点である結婚式と誓いが新たな神頼の出発点として意味を持ち、ふたりの人生と絆の原点といえる時間になります。まるで舞台演出の作り方のように緻密なんですね。

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プランナーとして日々成長「前職へのリスペクト」「 夫とふたりでの子育て」から学ぶ

東さんがフリープランナーとして独立し、7年目に突入します。独立前と後を振り返ってみて、ウェディングへの思いは変わりましたか?

フリーになって、結婚式場で結婚式を挙げる価値の高さが、より一層理解できました。 専門会場はお客様が結婚式に求めるニーズをすべて叶えるために設計されていますし、サービスも常に充実しています。
ウェディングにとって『箱(※いわゆる会場)』はとても重要です。しかし、フリープランナーの提案できる会場には『結婚式会場以外』の制限があるのです。
私は、式場の提供するサービスに思う部分があってフリーになりました。
だから選ばれる秘訣とは、お客様の求めているニーズ以上の価値ある結婚式の提案だと思っています。
会場のサービスの良さの実感をバネに「いいサービスをつくりたい、必ず作れる」と現在では考えています。

『結婚式会場の良さ』を知っているからさらに越えていける

以前在籍していらっしゃったゲストハウスでは、ゼクシィ主催のウェディングアワードを受賞するなど、お仕事も充実していたのが伺えます。フリーとして独立するきっかけや動機を教えて下さい。

「あなたも会場のスタッフも本当に良いのは分かっている。あなたにお願いすれば、絶対いい結婚式になると分かっている。でも、どうしてもガーデン挙式を諦められない」 と言われたお客様との出合いが、独立を考えるきっかけでした。
今では当たり前のガーデン挙式ですが、当時は対応できる会場は少なかったのです。
一度は申込みまでされたものの、結局はキャンセルになってしまった時に、場を、箱を自由に選べる重要性を痛感し、想いから形にすれば、新婦の後悔も少なくなる重要性に気づきました。
人柄や提案力だけでは、新婦の想いはどうにも形にはならなかったんです。

【WEDDING LAPPLE】は東さんが最初に立ち上げましたが、後から夫であり同じくプランナーである浩二さんも加わり、公私共に“パートナー”として歩んでいらっしゃいますね。
浩二さんは、東さんの前職の同僚と伺いました。

夫とわたしは約10年、以前在籍していた会場の支配人とキャプテンとして共に働いていました。
夫は私より以前から独立について考えていたのでしょう。支配人しながら現場主義が強く、新郎新婦の近くで、ともに結婚式をつくる立ち位置に居続けたひとなんです。 会社で大きな会場を任されたり出世するより、現場で新郎新婦に寄り添うプレイヤーでありたい思いが強かったですね。
夢は「自分のつくったチャペルを持ちたい」と言っていたほど挙式にこだわっていましたから、会社に残るか、一緒に独立するか…本当に考え抜いた末の独立でした。
ふたりとも前職の会社が大好きで、社長を尊敬しています。
私たちふたりが『結婚式』を大好きになれたのは前職のおかげなんです。

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公私共にパートナーであり、お互いを認め合う東さんと夫・浩二さん。
共に働いていた会場では支配人である夫が上司であったが、実は社歴は東さんのほうが“ちょっとだけ先輩”だった。
東さんが2013年に『GOOD WEDDING AWARD2013 クリエイティブ賞』を受賞し、浩二さんが2021年に『GOOD WEDDING AWARD2021 ベスト50』に選出されるなど、ふたりは周囲からもプランナーの実力を認められ、常に切磋琢磨する関係性。
現在も「プランナーとしてはライバル」で、お互いに刺激を受けている。

コロナ禍、出産、子育て…すべてウェディングにプラスに活きている

独立してほどなくお子さまも生まれて、仕事と子育ての両立はどうしていらっしゃいますか?仕事への向き合い方や考え方は変わりましたか?

夫がビジネスパートナーなので、ご飯も寝かしつけも役割分担しているので両立に特別大きな支障はでていません。
子育てをふたりで一緒にできるので、夫が子どもと一緒に過ごす時間が長くなりました。
また、ワンオペ時代は夜遅い打ち合わせは難しい場合もあったのですが、現在は一方が子どもを見ていて、一方が対応できるので、よりきめ細かくスピード感ある打ち合わせをオンライン利用により対応できるようになりました。
例えばお客様が何か思いついたとき、不安になった時にすぐ密な打ち合わせができるので、おふたりの“こだわり”に時間制限による妥協がなくなったんです。
特にオンラインを利用した打ち合わせは、【WEDDING LAPPLE】では積極的にかなり密におこなっています。

コロナ禍でオンラインによる打ち合わせは急激に一般に浸透しました。ある意味、フリープランナーによるプロデュースの大きなメリットである『ニーズに対してのきめ細やかな対応』がより発揮できるようになったんですね。

おかげでクリエイターとの面談はスムーズになりました。
コロナ禍前は、時間的な制約や両者のスケジュール都合があって、すべてのクリエイターと対面による打ち合わせはどうしても難しかったです。
現在は、オンラインですべてのクリエイターと面談して新郎新婦が密に打ち合わせをしたり、全員が一同に介して面談する場を設ける調整が可能になりました。

子どもが生まれて自分ひとりの都合では動けなくなったぶん、ウェディングを作りあげるのはパートナーやアシスタントの力が大きいと、より実感しています。
結婚式はウェディングプランナーがいいからよくなるわけではないんです。
良いプランがあっても、当日は以前からの現場の温度感や雰囲気作りによって、当日の印象は大きく変わってしまいます。
お客様の大切な一日のために、よりよいチームワークを作りあげるための体制が、夫との協力やパートナーの方たちとの密な連携で実現できたと感じています。

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夫は心強い仲間であり、プランナーとして手ごわいライバル

おふたりで小さなお子さんを子育てをしながら、ウェディングの仕事に向き合っていくなかで、プランナーとして成長した部分もあるでしょうか。

結婚、出産を通じて、ふたりともマタニティウェディング、ファミリーウェディングに強くなりました。
マタニティウェディングでは「いつ結婚式を挙げたらいい?リスクはある?」といった不安に親身に寄り添って、迎えられる幅は広がりました。結婚するふたりの時間を大事にしてほしいので、とくに積極的にサポートしています。
また、子育てによって私たちふたりとも、赤ちゃんを見ていてあげられる経験値は上がりました(笑)
例えば、お子さま連れのフォトウェディングでは必須のシッター依頼などは不要で、ふたりの撮影時間を楽しんで頂けるようになったんです。
赤ちゃん連れのお客様も、半分以上私が抱っこ紐で抱っこしたりミルクあげたりして、撮影を見守りながらお世話をしていますよ。

結婚式や子育て…いろいろな不安を抱えるふたりにとって、とても心強いサポートですね。
新米夫婦にとって、子育てをしながら夫婦で同じ仕事と目的に取り組んでいる東さんの姿は、人生の新たなパートナー関係を築くうえでお手本にしたい、参考にしたい姿でもあると思うのですが。

それは…どうでしょう(笑)
ただ、夫は自分にはない視点を持っているので、刺激を受けたり夫から学ぶ部分も大きいですね。
例えば、ウェディングプランナーはどうしても新郎新婦に寄り添って結婚式の舵取りをするので、親御様の思いが反映されづらかったり、配慮がないがしろになってしまう恐れもあります。
しかし夫は支配人経験が長く、現場全体を俯瞰で見て包み込む経験に長けているので、両家の親御様の気持ちをしっかりと汲み取ってフォローし、結婚式をまとめる力があるんです。
1人体制では難しい結婚式づくりも、ふたりだから実現できると気づかされました。

私と夫との関係性は、パートナーではありつつも、ウェディングプランナーとしてはお互い『ライバル同士』ですね。
いっぽうで、お互いウェディングプランナーとしての力量を認めあってる…そんな関係性なんです。共に刺激を受け、競い合って、日々の成長を感じています。

フリーウェディングプランナー【東 佐江子】profile

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愛知の司会会社・株式会社ブラスの運営するゲストハウスにて、10年間ウエディングプランナー・音響オペレーターを経験。2013年にはゼクシィが主催する『GOOD WEDDING AWARD2103 クリエイティブ賞』を受賞するなど、数々の実績を残す。
2016年に【Wedding Lapple】を立ち上げ、フリーランスプランナーとして独立した。

幼少期から音楽に触れながら成長してきたため、言葉の持つエネルギーで想いが伝わる力について強く実感しており、” 場づくり ” について日々模索しながらウェディングと向き合っている。
また、場づくりを通して感情の動きを重視する観点から、夫婦のエネルギーとなる映像や写真を残せるよう、未来を大切に描きながらプロデュースしている。

独立して8ヶ月後には妊娠、2017年6月に出産を経た後も着実にキャリアを重ね、現在ウェディングプランナー歴は17年目で、フリー歴は6年目を迎える。

受賞歴
GOOD WEDDING AWARD2103 クリエイティブ賞受賞

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【古民家ウェディング | 愛知 | ニンジャマンション】Instagram
【ロウズ ウェディング | 渥美半島 | リゾート】Instagram

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