2021年に6年間勤めていた都内有数の有名会場「八芳園」を退社し、フリープランナーとしての一歩を踏み出した八木澤 瞳さん。以前の職場をこよなく愛し、式場としての良さも熟知している八木澤さんは、フリーランスになってからも「提携」という形で、とても良好な関係性を築いています。
6年間で1000組以上のお客から相談を受け、さらに100件以上の担当指名を受けるほど、新郎新婦から絶大な支持を受けるカリスマプランナーが考える「ふたりにとって本当に居心地のよい場所」とは?
もくじ
八木澤さんの人間性のルーツは“好奇心”「あなたの人生をもっとまるごと知りたい!」
プロフィールにある「6年間で1000組以上のお客から相談を受け、さらに100件以上の担当指名」の実績に驚きました。
通常、大手結婚式場は下見の際に対応してくれるプランナーと、契約後に結婚式の打ち合わせを担当するプランナーに分かれています。
そのルールを飛び越えて、カップルから「この人に変わらず担当してほしい」とイレギュラーに依頼されているわけですよね。
八木澤
ありがとうございます。
とても嬉しくありがたいことに、「結婚式の打ち合わせ担当もぜひ八木澤さんのままで」と言っていただくケースが多いですね。
実際、今日でお会いするのは2度目ですが、八木澤さんの話し方を拝見していると、とても親しみやすさを感じます。
会話のラリーがスムーズで、こちらの話をよく聞いてくれると感じるだけでなく、八木澤さんの意見もしっかり発言しているのに、押しつけ感がなくすんなり心に入ってくる。
八木澤
結婚式を担当するうえでまず「おふたりの良いところをたくさん知りたい!」という気持ちが真っ先にくるんです。
そこで、相手がどんな人生観を持っているか、どんなふうにプライベートを過ごしているのか…。
とりとめもなくたくさん聞いていくうちに、おふたりも自然と“わたし”の話に興味を持ってくれるんだと感じています。
今まで担当されている新郎新婦とも、仕事以外でもとても良好な関係性を築いていると伺いました。
八木澤
挙式後の打ち上げに呼んで頂いたり、おふたりと一緒にプライベートでテーマパークに行ったこともあります。
いままで担当してきた、ほとんどのおふたりと友達のような関係性を築けているんじゃないでしょうか…。
担当として接しておふたりの趣味や興味、今までの人生についてお話を聞かせて頂くうちに、私がふたりのことを大好きになってしまうんです。
最近ではLineだけでなく、お互いのInstagramなど教えて頂ける範囲のSNSで繋がることで、よりおふたりの環境の変化や素の部分を知れるので、スムーズな会話の盛り上げにも繋がっています。
おふたりの日常に溶け込んで結婚式を作っていく感覚なんです。
八木澤さん自身が、すごく好奇心旺盛なんですね。プロフィールを見て「相手を知りたい」と考えるようになったきっかけは、八木澤さんが学生時代に受けたある教育が根底にあるのでは?と思っているのですが。
八木澤
私が在籍していた中高一貫の学校では、海外のような教育方針を早めから取り込んでいて、『言語技術』という独自の設定教科がありました。
簡単にいうと「心を伝える方法をしっかり学べる」授業です。
例えば一冊の本を全員で読み「この主人公はどうしてこのような行動をしたのか?」「これは季節はいつなのか?」といった書かれていないテーマについてディベートをします。
自分の意見を伝えながら相手の考えも肯定するためには、相手のルーツや考え方をよく知った上で「どうしてそういう考え方になったの?」と深掘りしていく必要があるんです。
相手を否定しないで「理解したい」と言葉や行動で表す技術が、中学と高校時代を通して学べるんですね。
八木澤
おかげで、どんな時も相手には表面だけには見えない経験や価値観があり、引き出す事で建設的な話し合いができると学びました。
現在のウェディングプランナーの仕事と私の人生に、とても大きく影響し、役立つ学びだったと実感しています。
八木澤さんの独立のルーツとは
八木澤さんのInstagramやnoteを読むと、海外での研修も行かれていたとのことですが、どのようなことを学ぶ時間だったのでしょうか?
八木澤
八芳園に在籍していた時にニューヨーク研修に行かせていただく機会を頂きました。
1週間の中で、ホテル・教会・イベント会場・Dressサロン・ペーパーアイテムのお店など、ウェディングに関わる専門店をまわり、実際にフリープランナーの方の講座が受けられるというカリキュラムです。
すごい密度ですね!。
八木澤
はい。とても刺激を受けました。同時に、日本のウェディングプロデュースのあり方では、対応できない方がいる問題点も自分のなかで明確になったんです。
まず、日本にはウェディングの専門店が少ないんです。涙が出るほど感動するようなドレスショップや、ウエディング専門の装飾を担当するフラワーショップやフローリストも、提案の幅も選択肢も少ないでしょう。
それ以前に、日本とニューヨークではプランナーのヒアリングのスタンスが全く異なる点に衝撃を受けました。
八木澤
ニューヨークでは、お客様から聞く内容は【条件・時期・予算】ではなく、”どのような人生だったのか”が第一に来るんですね。
新郎新婦が好きな服のブランドや居心地のよい場所や人間性を知った上で結婚式のプランを提案していくんです。
八木澤さんが考えるフリーのルーツは“相談”「徹底的にふたりの人生に寄り添いたい」
独立後は、八芳園と提携されながらどのような活動をされてきたのですか?
八木澤
「ウェディングに関してどんなことを相談されてもアドバイスできるよう、徹底的に知識と情報を誰よりも増やそう!」とさまざな準備をしてきました。
私が他のフリープランナーの方と比べ突出しているのは、結婚式に関して1000件以上もの相談実績と100件以上の担当指名という実績です。
常に「私におふたりの人生をまるごと教えて下さい」という想いからついてきた結果であり、フリーになったいま、やるなら徹底的におふたりに寄りそう友達になって結婚式を考えたいからです。
花嫁さまに人生で一番輝いてほしくて、「emeth paris」というドレスショップでスタイリストとしての修行をさせて頂いたり、ヘアメイクやエステの知識や技術を学んだり、SNSの発信方法について学んだり…ウェディングに関わるあらゆる分野で新しいチャレンジを増やしてきました。
その言葉通り、独立してまだ1年経っていないのに、既にたくさんの提携先やパートナーを増やしています。幅広い人脈にびっくりしました。
八木澤
去年から提携可能な会場探しや、提携してくれるドレスサロンとの交渉を積極的に行ってきました。
例えば、現在提携交渉が進んでいる「BENE-」はCRAZY WEDDINGが運営している一軒家の会場で、南青山という立地、自由度の高い会場、ホスピタリティの高いスタッフという魅力的な条件が揃っている会場です。
もちろん八芳園も現在提携しているため、私が担当プランナーでの会場使用が可能です。
既に「結婚式会場」として設備やおもてなしが整っている会場が使用できるのですね。フリープランナーは専門会場ではない場所で結婚式をプロデュースするイメージがありましたが…
八木澤
もちろん、本当にゼロから創り上げる結婚式も魅力的とは思います。が、私は専門会場の素晴らしさもよく知っています。
わたしの考える自由やオリジナリティとは、設備やホスピタリティといった条件が整った会場がまず前提なんです。パートナーのチームワークといった要素が整ったうえで、さらに一歩先の「おふたりとゲストにとって居心地のよい場所」を造りたいと考えているんです。
八木澤さんが現在提携可能なウェディング専門店&会場
■提携、紹介可能なドレスショップ&ブランド
①Roots&Routes(プランナー)
https://roots-routes.info/
②innocently
https://www.innocently.jp/
③claras
https://claras.jp/
④aMuse vie Bridal
https://amusevie.co.jp/
⑤マザードレス(お母様衣装)
https://www.mama-bridal.jp/
⑥emeth paris(八木澤さんがスタイリストをしている場所)
https://emeth-paris.com/wp/
提携、紹介可能な会場
①BENE-
https://bene.crazy.co.jp/
②八芳園
https://www.happo-en.com/
③j2pWedding(フィリピンのリゾートウェディング)
https://www.j2pwedding.com/
※フリープランナーの提携先で多い新進気鋭のブランドだけでなく、既にアイテムの質の高さやサービスの良さで定評のあるブランドのラインナップもバランスよく取り揃えており、新郎新婦にとっても安心感がある。
提携する会場でのプランナー業、ドレススタイリストなどの仕事の合間に、八木澤さんのもとへ悩める新郎新婦の「相談」が多数寄せられていると聞きました
八木澤
ドレスショップでお会いするおふたりや、わたしのnoteやInstagramを見て興味を持ってくださった方から、担当のウェディングプランナーには直接言えない結婚式準備の悩みについて相談が多く寄せられるんです。
皆さんに共通しているのは「この見積りの上がり幅はどうなんですか?」「自分たちのやりたい希望に対して担当からの提案がちぐはぐ」「契約内容はプロの方から見て客観的にどうなんでしょうか」という、担当との意思疎通不足や、担当の理解不足による不満や不安です。
その不安って、担当プランナーには直接言えないんでしょうか。
八木澤
おふたりは、担当のウェディングプランナーがプロだと思っています。
向こうがよかれと提案しているものを否定したり、こちらから別の提案をするのは、とても心苦しいでしょう。
だから、わたしが間に入って話を聞いて問題点を整理させてもらうんです。
「客観的に見て問題に対して意見を言ってもいいんだ」「この問題に対して担当にこういう風に切り出せばいいんだ」と分かれば、また担当とスムーズな打ち合わせに戻れ、不満なく準備が進められるケースが多いんです。
最近聞くようになった「ダブルプランナー制」ですね。
既に会場と契約されている方で、さまざまな制約がある場合でも、より希望に近い結婚式を計画するためのアドバイスがもらえるのは心強いです。
現在はフリープランナーが「カウンセリング」という分メニュー料金に入れている方がほとんどですが、実際に利用されている方が少ないようです。
八木澤
しかし、「カウンセリング」に非常にニーズがあるのはいま自分自身が実感しています。
また、おふたりも何がしたいというのが明確にもともとあるわけではなく、提案されて違和感は感じているけれど、上手に伝えられないまま打ち合わせが進んでいってしまうケースがほとんどです。
もちろん先に「これだ!」と思う会場から決めるのもいいのです。
しかし、さらにその先に二人が居心地が良いと思う空間づくりや「本当にやりたいこと」が必ずあるはずなんです。
できれば、二人の軸を決めるところまで相談に乗って、お手伝いしてあげたいと考えています。
八木澤さんの元に寄せられるさまざまな「結婚式準備への不安・不満」例
・さまざまな事情で会場を決めてしまったけど、本当は地方の祖母祖父に結婚の晴れ姿を見せたかったがいい方法が思い浮かばない
・和風の結婚式を考えているが、お酒が飲めない人がいると言っているのに担当プランナーが提案してくる演出が「お酒の鏡開き」で希望を理解してもらえない
・結婚式準備を進めているが、プランナーがあまり進行を考えてくれてないがこちらから言いだしづらい
・大人数を招待するが、ゲストにきちんとおもてなしが行き届くか、ゲストひとり一人との時間がつくれるか不安 …など
※不満が生じてしまうのは①会場プランナーは他の案件も抱えすぎ忙殺されている②仕事としての質問ばかりでふたりへの理解度が薄い、といった原因があり、ふたりは「このままでは結婚式がいい思い出にならないのでは」と不満や不安を抱えてしまう。
「ふたりに対する理解度を深め、しっかり寄り添えば不安や不満は必ず解消される」八木澤さんのカウンセリングで多くの花嫁が担当プランナーとまた良好な関係に戻っている。
八木澤さんが目指す結婚式のルーツは“希望”「ゲストも当事者になるかけがえない時間」
充電期間を経て、フリーランスとして告知や発信を始めたばかりにも関わらず、すでに八木澤さんのもとには「プロデュースしてほしい」と何件も依頼が舞い込んでいる状態です。
八木澤さんのプロデュースには、どんな特色があるのでしょうか。
八木澤
フリーになってわたしに依頼されるおふたりの共通点は「お客様をきちんとおもてなししたいけれどもどうしたらいいか」「自分たちだけが主役のスタイルに違和感があるので、ゲストにも主役になってほしい」という想いです。
実は、現在手がけている結婚式の依頼も「100人ぐらいの大人数での結婚式を計画したい」と言われるケースが多くて…
フリープランナーに依頼される方は、20人から40人程度の規模での結婚式が多いのですが…すごく意外です。
八木澤
はい、かなり珍しいケースだと周囲からも言われます(笑)
私自身、大人数のゲストに、結婚式でまるで自分が当事者のように感じてもらう「巻き込み型」の提案を非常に多くさせて頂いているので得意分野と言えるかもしれません。
大人数だと、披露宴でどうしてもゲストに均等にスポットがいかない不安がありますが、こちらが事前に仕掛ける事によって、ゲスト全員が「自分事」になれるような内容の提案をしています。
いまプロデュースが進行しているおふたりは、他のプロデュース会社と比較されていました。
私を指名してくれた「決め手」を伺ったところ
「八木澤さんの情報がなく不安だったが、提案してくれた会場を見て大人数をおもてなしするならやはり会場が大事だと気づいたし、何よりここまで寄り添ってもらえるなら大勢のゲストを安心して託せると思いました」
と言っていただけたのが、とても嬉しかったですね。
ヒアリングベースで創り上げるウェディングフォト【Roots&Routes】
八木澤さんが提案する「ふたりのルーツを巡る旅とウェディングフォト・プラン」は、料金が決まっている以外はすべてヒアリングから計画する、完全オリジナルのフォト・プラン。3日間通してふたりのゆかりの地、今の価値に至った場所の撮影をしていく。
①新郎のルーツとなる場所の撮影
②新婦のルーツとなる場所の撮影
③ふたりにとってのルーツとなる場所の撮影
さらに撮影には、撮影場所のルーツに携わる人を呼び、結婚式では体験できない濃度の高い時間を過ごせるようさまざまな演出もプロデュース。
結婚式という形に抵抗がある人や、費用面が気になる方が、「結婚への特別な思い出」を残すために、プロならではの提案と想いが詰まった内容になっている。
八木澤さんのヒアリングパワー…すごいです!わたしも八木澤さんに、何か相談したくなってきました。
八木澤
おふたりの人柄や人生を詳しく掘り下げていくなかでしか、聞けない「希望」というのが絶対にあるんです。
それが聞けるまで、とことんおふたりを知っていくヒアリングをしていけるのが私の強みかもしれません。
八木澤
例えば「さまざまな事情で会場を決めてしまったけど、本当は地方の祖母祖父に結婚の晴れ姿を見せたかったなあ」という望みは、通常の会場所属の担当との打ち合わせなら「まあでも、無理なことは分かっているので諦めます」で流されてしまう希望です。話題にも出ず、言い出せないまま終わってしまう場合もあるでしょう。
でも、フリーランスの立場であれば「結婚式とは別におばあちゃんに晴れ姿を魅せる撮影会と会食を地元でやりましょう」と聞き逃さずに提案し、希望を叶えてあげられる。
おふたりの今までの大切にしてきた価値観や、学んできた事、今のお仕事についても打合せ中に聞かせて頂き、形として結婚式で表現したいんです。
そしていつか、日本の結婚式場も海外のブライダルのように、おふたりの本質を表現できる体制に変わっていければ…
【ナシ婚】の世の中が、自分の意志で結婚式をしたいと思える環境になるのでは、と私は考えています。
フリーウェディングプランナー【八木澤 瞳】profile
中学・高校時代に、相手の立場になって深く人生や価値観を受け入れ聞きだす特別な授業で、その後の仕事において根底となる考え方を学ぶ。
ブライダルの専門学校に進学。結婚という節目は人生においての自分を見つめなおす大切な分岐点という事を学んだ後、都内専門式場にて7年ウェディングプランナーに従事。
式場見学のプロとして1000組以上のお客様の相談を受け、同時に指名担当として100件以上の担当を経験。当時から接客のモットーは”ふたりの人生を深く聞き、結婚式をする意味を一緒に探す事”。
2021年5月、お客様ともっと深くお付き合いしたいと思い立ち、フリーランスのプライダルプロデューサーに。
結婚したけれど、どうしたら良いかわからない。そんなふたりにゆっくりと会話をしながら、ふたりの大切にしたい方を大事に考えながら、常に寄り添うプランニングをおこなう。
資格
ブライダルコーディネート2級 / アシスタント・ブライダル・コーディネータ
Instagram
https://www.instagram.com/hitomiyagisawa_wedding/
note
https://note.com/yagisawa_hitomi
八木澤 瞳さんについて詳しく知りたい方は
こちら
八木澤 瞳